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2016年03月31日
2016年度 公立高校入試総括

2016年度 全日制公立高校入試概況

全体倍率は1.20倍、ただし志願状況には偏りが

当初募集定員総数43,750名(昨年比450名増 ※連携募集含む)に対し、2016年度全日制公立高校の合格者数は43,609名(同318名増)という結果になりました。全体倍率は1.20倍と前年度から0.02ポイント上昇、現在の入試制度に移行後最も高い倍率です。

2016年度入試のポイントは、例年以上に志願状況に偏りが生じたことです。以下のグラフは全日制学科・コース(※1学級のみ募集を除く)の受検倍率をまとめたものです。全体倍率1.20倍に対し、受検倍率が1.30倍を超える学科・コースは25%(前年17%)と現在の入試制度が導入されてから最多になりました。「競争率が高い」「厳しい入試」と感じた受験生が例年よりも多かったと思われます。

一方、1.10倍を割った学科・コースは前年度から変わらず36%、全体倍率に近い1.10倍から1.30倍未満の学科・コースは39%(前年度47%)という結果でした。一次募集での欠員数は245名とこちらも現行入試制度導入後最多になり、13校の学校で二次募集が実施されました。特に、県立高校改革で横須賀明光高校との再編・統合が決まった大楠高校では110名もの欠員が生じました。

学力向上進学重点校エントリー校17校は1.39倍、市立進学指導重点校4校は1.45倍

大学進学に力を入れる「進学重点校」は、例年に続き高倍率の結果になりました。1月に県立高校改革実施計画で発表された「学力向上進学重点校エントリー校」17校の平均倍率は1.39倍(前年度1.40倍)、「市立進学指導重点校」4校の平均倍率は1.45倍(前年度1.59倍)です。各学校の入試結果は以下の通りです。

全日制の学科・コース(※1学級のみ募集を除く)の中で、最も実質倍率が高かったのは横浜翠嵐高校の1.62倍です。実質倍率上位10校は2015年度から大きく変わり、神奈川総合(個性化)、市立東、市ヶ尾、元石川など「進学重点校」以外の学校も並んでいます。「進学重点校」というくくりだけでなく、受験生それぞれが「自分の行きたい学校」について真剣に考え、志望校を決めたことが伺えます。

英語の合格者平均は新入試制度開始以来過去最低点

以下の表は25日(金)に発表された「2016(平成28)年度 神奈川県公立高等学校入学者選抜学力検査の結果」をもとに、学力検査の合格者得点分布をグラフにまとめたものです。


※クリックで画像が拡大します

2年連続で30点台が続いた理科は46.5点と、2015年度から9.1ポイント上昇しています。一方、英語の合格者平均点は100点満点中43.0点と 2015年度から8.8ポイント下がり、新入試制度開始以来過去最低になりました。得点分布も合格者の14.8%が「11~20点」のゾーン、17.5% が「21~30点」のゾーンという厳しい結果です。

英語の出題形式は前年度と同様でしたが、実施結果の概要には「まとまりのある英語を聞いて要点を理解する 問題、資料から情報を整理して英文を作る問題の正答率が低かった」とコメントされています。このような「知識の活用力」は他の教科でも共通して点差がつくポイントになっているようです。公表資料には各教科の合格者平均点や得点分布のほかに、出題のねらいや設問別正答率も掲載されています。

新しい入試制度のもと4回目となった学力検査。2016年度の入試においても各教科で思考力・判断力・表現力いわゆる「知識活用力」を測る出題がされました。英語や理科に見られるような「知識を組み合わせて情報を処理する力」、数学に代表されるような「初見問題への対応力」、何を求められているかを素早く判断する「スピード力」は2017年度の入試でも問われると想定されます。


前述の通り2016年度入試では学校によって志願状況に大きな偏りが生じました。高い倍率は受験生の皆さんが「難しくてもこの学校に行きたい」と、強い目標と意志を持って最後まで果敢にチャレンジしたことのあらわれとも言えるでしょう。 高校受験情報では引き続き最新の情報をお届けし、受験生の皆さんを応援していきます。
 

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