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furel

2013年7月公開号
vol.10 C+human:国際社会で生きるテクノロジーとリベラルアーツ。

2012年10月 国際教養大学学長講演

日経新聞が176の企業に行ったアンケート調査「 人材育成の取り組みで注目する大学」で1位(※)になるなど、最も注目される大学の一つ国際教養大学。
そこで今号の特集は、7月14日に中萬学院で開催された国際教養大学中嶋学長講演会の内容をお伝えします。
学ぶことの原点、大学教育の在り方、英語教育による将来性など、これからの大学選びや未来の目標設定にもヒントとなりうる講演となりました。
(※)2012年7月16日付 日本経済新聞

中嶋学長プロフィール

中嶋学長プロフィール

国際教養大学 理事長・学長 (国際社会学者、東京外国語大学元学長)
中嶋 嶺雄
Nakajima Mineo

オーストラリア国立大学、パリ政治学院、カリフォルニア大学サンディエゴ校大学院の客員教授を歴任。著書は「現代中国論」「中ソ対立と現代」「中国」「北京烈烈」(サントリー学芸賞受賞)「国際関係論」「中国・台湾・香港」「21世紀の大学」「音楽は生きる力」「全球(グローバル)教育論」「世界に通用する子供の育て方」「なぜ、国際教養大学で人材は育つのか」「日本人の教養」「学歴革命」など多数。中国、台湾などについての評論活動で、2003年度「正論大賞」受賞。

グローバル化と国際化について

グローバル化と国際化について

まずは最近よく耳にするこの2つの言葉から確認しましょう。
「Global(グローバル)」は「球、球体」を指す「Globe(グローブ)」という名詞がもとです。地球が丸いことを強調するときにはグローブと表現します。そして天体、地球儀もまたグローブです。すなわち国を超えた立体的な世界を意味する言葉です。
一方「international(国際)」のもとは「Nation(ネーション)」です。「祖国」「国」「国家」という意味ですね。「グローバル」が立体的な関係を意味するのに対し「国際」はたとえば日本と中国、日本とアメリカの関係など、国と国との水平的な関係を意味するものです。
ところで「グローバル化」すなわち「Globalization(グローバリゼーション)」という言葉は1944年にカナダの2人の社会学者が初めて使いました。これからの人類の発展のためには地球規模で物事を考えなければならないというポジティブな使われ方です。一方「国際化」すなわち「internationalization(インターナショナリゼーション)」は1945年のヤルタ協定で「大連の港は国際化されなければならない」という趣旨の中で使われました。
似たような言葉ですが、そのような違いがあります。

「知の鎖国」と日本の大学

「知の鎖国」と日本の大学

今から20年ほど前、東西冷戦も終えんし「グローバリズム」という言葉が使われ始めた頃のこと、私はカリフォルニア大学で教えていました。遠いアメリカの地で私の書いた論文がインターネット検索で瞬時にパソコンに表示されるなど、IT革命によるグローバル化を強く感じました。もう一つ感じたこと、それは学生がとにかくよく勉強していることです。学位を取ることも大切ですが、そのプロセスが日本の学生とは違うのですね。「グローバリズム」が始まって20年、日本の大学はグローバル化に対応していなかっただけでなく日本自身も落ち込んでしまっています。
本日は大学関係者、教職員の方もいらっしゃるということですから、日本の大学の問題に触れてみます。1991年に「大学設置基準」が大綱化されました。その結果として教養教育が殆どなくなってしまったのです。これがいちばんの問題です。たとえば英語で仕事ができるにはTOEFLスコアで650点ぐらい必要ですが、年間60~70万いる大卒者のうち、それは1千人にも満たないのです。大学院の重点化も問題です。教授が大学院に籍を移すことで学部の空洞化が起きたり、法科大学院が良い例ですがあちこちで定員割れを起こしたりしています。そして国公立大学では2004年に法人化されるまで教育公務員特例法によって、外国人が学長や学部長になることができなかった。民族とか国家を超えた開かれたコミュニティでなければならない大学にあって、これは深刻な問題だったと思っています。私は「知の鎖国」と呼んでいます。

「国際教養」教育のすすめ

「国際教養」教育のすすめ

コンピュータ時代もグローバル化も後戻りできません。そうなればなるほど学問の原点、ヒューマニズムなどが重要になるのです。
20世紀初頭の経済学者マックス・ウェーバーの有名な講演の一つに「職業としての学問」があります。科学技術が新しい時代に入ってこのごろの大学は技術ばかりに走って、学問にとって大切な人間性、インスピレーションを忘れてしまっているのではないか、という内容です。そしてスティーブジョブス。

The Intersection of Technology and Liberal Arts, or: Why Apple is So successful
テクノロジーと教養(教育)の交差点。アップルが成功する理由は
We’ve always tried to be at the intersection of technology and liberal arts
いつもテクノロジーとリベラルアーツが交わるところにこだわってきた
(2010年1月iPad発表時のプレゼン)

僕は国際教養大学を創って本当に良かったと思いますし、このメッセージは国際教養大学に対する「エンカレッジ」でもあります。

国際教養大学の在り方と挑戦

国際教養大学の在り方と挑戦

国際教養大学の授業はすべて英語です。また世界38カ国・地域132大学の提携大学から毎学期170人以上の外国人留学生が学ぶ異文化空間です。そのキャンパスは秋田空港から車で10分と近いのですが森に囲まれ、春には水芭蕉がたくさん咲きます。英語で水芭蕉「skunkcabbage」、スカンクが食べるキャベツというのです。これでは台無しですね。英語はコミュニケーションツールとしては必須ですが、英語を勉強するということは逆に日本語がいかに美しいか、日本語の大切さを理解することにもなるんですね。ですから学生全員に新渡戸稲造の「武士道」を必読文献にしています。
少人数教育と学生中心の施設も本学の特長です。1クラスあたりの受講生数は15名程度で、図書館は24時間365日開いています。日本ではここだけです。
そして1年間の海外留学を義務付けています。卒業には124単位が必要ですが、そのうち30単位前後を海外のトップクラスの大学で英語で授業に出て取ってくる。ここまでやっている大学はまずありません。
4年で卒業できる割合はグローバル・スタンダードの50%程度ですが、4年半で卒業できる割合は60~70%、5年では約90%です。就職は今年もきわめて好調です。

広い教養を身に付けグローバルな人材になる

入学時期は開学以来4月・9月入学、ギャップイヤーを採用しています。多彩な能力、資質を備えた学生に入学してもらえるよう入試制度は16種類に及び、センター試験を利用しない「特別選抜試験」などもあります。
単語や文法という従来の受験勉強にとどまらず、小論文を英語で書くという実践的なトレーニングを積み、英語力を高めてください。そして世界に出て活躍したいというパイオニア的な精神、挑戦力を持ち、広い教養を身に付けグローバルな人材になるという意志を持って、ぜひチャレンジしてほしいですね。

他とは違う、国際教養大学のグローバルな教育方針 6つの挑戦

furel'scope:第三者が見た「ありのままの国際教養大学」

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