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CG’s EYE

学校基本調査結果速報トピックス

No.047 2019年09月02日

今回は8月8日に文部科学省が公表した「令和元年度学校基本調査結果速報」、8月23日に県教育委員会が公表した「平成30年度公立高等学校等卒業者の進路の状況」を見ていきましょう。

神奈川県の大学等進学率が全国第4位に後退

【1】2019年3月卒業生大学等進学率・大学学部進学率ランキング

大学等進学率 大学学部進学率
順位 都道府県 進学率 順位 都道府県 進学率
1位 京都府 65.9% 1位 東京都 63.0%
2位 東京都 65.1% 2位 京都府 60.9%
3位 兵庫県 60.9% 3位 広島県 57.2%
4位 神奈川県 60.7% 4位 神奈川県 56.9%
5位 広島県 60.6% 5位 兵庫県 56.4%
全国平均 54.7% 全国平均 49.8%

【1】は高校(全日制・定時制)卒業生の短期大学部含む大学等進学率と大学学部進学率ランキングです。今春、県内高校卒業生数は全国で2番目に多い6万6,607名、そのうち4万428名が大学等(短期大学含む)に進学しました。進学率はこれまで全国3位の神奈川県でしたが、今年は兵庫県に抜かれ全国第4位でした。また大学学部への進学率は56.9%で、こちらも全国第4位となります。
県教育委員会が8月23日に公表した「平成30年度 公立高等学校等卒業者の進路の状況」を見てみましょう。県立中等教育2校を含む全日制公立高校卒業生数は4万2,141名、このうち2万3,313名が大学等に進学しました。【2】は進路状況を抜粋したものです。

【2】県内全日制公立高校卒業者の進路状況(県教育委員会)

  人数 構成比(対卒業生数)
全日制公立高校卒業者 4万2,141名 100
国公立大学進学 1,597名 3.8
私立大学進学 1万9,862名 47.1
短期大学・通信制等進学(※) 1,854名 4.4
大学等進学準備 4,058名 9.6
就職 4,449名 10.5

(※)短期大学本科、大学・短期大学の別科・通信、放送大学、高等学校等の専攻科

県内進路状況の今年のトピックスとしては次の3つが挙げられます。
①国公立大学進学率が3.8%と過去最高を更新
②大学等進学者の割合が55.3%と過去10年で最低
③就職者が実数でも割合でも過去10年で最高

1991年からの推移をまとめたのが【3】です。およそ四半世紀の間に進学率は倍に、就職率と進学準備率は半減しました。少子化と大学学部新設によるいわゆる「大学全入時代」と社会環境の変化によって、21世紀初頭から全国的に大学等進学率が上昇、進学率が50%を超えたのが神奈川県では平成18年度、日本全国では平成19年度です。
大学等進学率が過去10年で最低となった背景の一つに首都圏私立大学の定員厳格化を挙げることができます。その影響で早慶、明青立法中、さらに日東駒専といった代表的な私立大学が難化傾向にあります。それに伴い、進学準備率いわゆる浪人生の規模はここ3年9.5%以上で推移、10年前の規模になっています。

【3】県内全日制公立高校卒業者進路割合の推移

国公立大進学率に歴然とした差

県教委公表資料にある県立高校・県立中等教育学校の状況を見てみます。大学学部のみの進学率は県立高校全体で49.5%、中等教育学校が83.3%となります。学校別に進学率上位20校と進学重点校(表中◆印)・エントリー校(表中◇印)を加えた表が【4】です。国公立大学進学率は学校要覧記載の進学者数をもとに編集部で算出しました。

全体進学率と国公立大進学率を見ると、各校の進学面での特色がうかがえます。また進学重点校・エントリー校とそれ以外の高校では、国公立大進学率で差が見られることもうかがえます。指定校4校の国公立大進学率は25%以上、4人に1人が国公立大学に現役進学している計算になります。県教委はエントリー校からの本指定に関して5つの指標を示しています(【5】参照)。(5)の進学実績においては、国公立大進学率も基準の一つと言えるでしょう。

【4】2019年3月卒業生大学学部進学率(県立校のみ)

順位 校名 進学率(国公立大) 順位 校名 進学率(国公立大)
1 ◇相模原 91.4%(18.3%) 2 ◇横浜緑ケ丘 86.5%(16.7%)
3 ◇光陵 85.4%(12.9%) 4 ◇大和 84.5%(10.1%)
5 ◇鎌倉 83.7%(11.7%) 6 相模原中等教育 83.7%(36.0%)
7 海老名 83.2%(3.3%) 8 ◇横浜平沼 83.1%(11.0%)
9 ◇茅ケ崎北陵 83.1%(7.4%) 10 平塚中等教育 82.9%(19.7%)
11 秦野 82.8%(3.1%) 12 ◆厚木 82.6%(28.6%)
13 市ケ尾 82.0%(4.8%) 14 ◇川和 81.6%(24.8%)
15 ◇小田原 81.5%(21.0%) 16 松陽 81.1%(4.4%)
17 新城 81.0%(2.6%) 18 座間 80.5%(2.9%)
19 ◇横須賀 78.6%(21.0%) 20 弥栄 78.6%(5.5%)
22 ◇平塚江南 78.5%(14.5%) 24 ◇多摩 77.7%(19.0%)
27 ◇希望ケ丘 76.9%(10.1%) 31 ◆柏陽 74.2%(30.7%)
42 ◆横浜翠嵐 65.7%(38.7%) 50 ◆湘南 54.7%(25.4%)

◆…県立学力向上進学重点校 ◇…エントリー校(2019年8月時点)
注:国公立大学進学率算出にあたり、学校要覧記載の卒業生数と県教委公表資料の卒業生数が異なる場合は、県教委公表資料の数値をもとに算出しています。

【5】学力向上進学重点校指定の指標(県教育委員会HPより転載)

(1)めざす生徒像を見据えて、「主体的・対話的で深い学び」の視点による教科指導等を展開し、高いレベルの思考力・判断力・表現力等の能力の育成を図るため、各学校において達成すべき学力水準を示している。
(2)県教育委員会が実施する生徒学力調査(2学年)の結果により、高い学力を身に付けさせている。
(3)生徒の7割以上が在学期間中に、英語検定2級程度以上のレベルを達成し、高い英語力を習得している。
(4)生徒の探究活動や全国規模の大会等での取組みなど、学校の教育活動全体を通じて、豊かな人間性や社会性を育み、その成果をあげている。
(5)全県立高校の中で、いわゆる難関と称される大学への現役進学において高い実績をあげている。

公立校から国公立大を目指すには

平成31年度の大学入試センター試験現役志願率は全国で44.0%、神奈川県は都道府県別(高校所在地別)で23位の43.0%でした。進学率は全国4位にも関わらずセンター志願率が全国平均を下回るということは、センター利用以外の入試選抜で入学する受験生が多いということです。私大一般入試の場合センター利用を併願するのが一般的なので、推薦入試、AO入試による大学入学とみてよいでしょう。ちなみに進学率全国2位の京都府もセンター試験現役志願率は36.4%と低く、神奈川県と傾向が似ています。
たとえば公立校から国公立大学進学を希望するのであれば、どのような学校選択が望ましいのでしょう。国公立大学のセンター試験は5教科7科目。学校も周りの生徒もそれを目指す環境に身を置くことが大切です。県立高校であれば学力向上進学重点校・エントリー校を目指すのが一つの道であると言えます。【4】で見たように進学率は同程度でも国公立大進学率では歴然とした差があります。あるいは公立中高一貫校を目指す。現在卒業生を輩出しているのは2009年開校の県立相模原中等教育と平塚中等教育、そして2012年開校の横浜市立南高校附属中学校です。附属中学から市立南高校に進学した今春卒業の2期生156名の41.7%にあたる65名が、東大7名をはじめ国公立大学に合格しました。ちなみに同じ横浜市立高校で卒業生数に占める国公立大学合格者数を見ると、横浜サイエンスフロンティア高校が37.7%、金沢高校が16.8%と健闘しています。金沢高校は横浜市立校の強みを生かし、指定校推薦含め横浜市立大へ19名が合格しています。

今回は進路選択・志望校選択の一つの参考として、県内公立校の国公立大学現役進学率を中心に見てきました。この数値が学校そのものの価値を示すものではもちろんありません。ましてや高校3年間にどのような価値を置くかはまさに人それぞれ。たとえば基礎学力をつけつつ、高校生活でしか体験できない文化祭や部活動に力を入れ、4年計画で難関大学進学を目指すというのも一つのあり方でしょう。
生徒主体の進路選択が求められる公立高校入試制度下では、単に成績や通学の便だけで志望校を決めるのではなく、どういう学校生活を送りたいか、卒業後はどのような道に進みたいかをしっかり考える大切さを確認し本号の結びとします。

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