中萬学院グループ - 神奈川県・横浜市の学習塾・進学塾

CG’s EYE

2017年の県内受験を振り返る

No.029 2017年12月26日

2017年最後のCG’s EYEは、2017年の神奈川県内の教育トピックスを振り返ります。

横浜サイエンスフロンティア高校附属中学校開校

【編集員】今年もいろいろな動きがありました。まず県内公立中高一貫校5校目となる横浜サイエンスフロンティア高校附属中学校の開校です。

【編集長】横浜市内のみ男女40名ずつの募集に対し、男子は450名、女子は235名が志願、受検者は男子433名で10.83倍、女子225名で5.65倍という高倍率だったね。

【編集員】4月に日経MOOK、6月にtvkでの取材で訪問しましたが、生徒さんが生き生きと学校生活を送られていたこと、生徒さんの様子をうれしそうにお話しされる栗原校長先生が印象的でした。

【編集長】横浜市立南高校附属中や川崎市立高校附属中は、中学と高校それぞれに校長先生がいらっしゃるが、サイエンスフロンティアは栗原先生が中学・高校両方の校長をされている。サイエンスフロンティア高校の発展に尽力されてきただけに、中学1年生の入学にはひとしおの思いがおありだったと思う。

【編集員】そして2018年は、いよいよ市立南高校附属中の1期生が卒業を迎えます。県立相模原中等、平塚中等の大学進学実績は今や公立校トップクラス。国公立大学入学80名以上を目標に掲げ開校した同校の進学実績に、多くの教育関係者が注目しています。

【編集長】5月に刊行された初代校長高橋先生の新書「学校改革請負人」からは、新校に込められた高橋先生の思いがひしひしと伝わってきた。先生方と一緒に新校を創造してきた1期生の健闘を心から祈っているよ。

【1】県内公立中高一貫校入試結果

学校名(区分) 受検者数 合格者数 競争率
相模原中等(男子) 583 80 7.29
相模原中等(女子) 602 80 7.53
平塚中等(男子) 389 80 4.86
平塚中等(女子) 405 80 5.06
南高校附属(男子) 408 75 5.44
南高校附属(女子) 578 85 6.80
YSFH附属(男子) 433 40 10.83
YSFH附属(女子) 226 40 5.65
川崎高校附属(男女) 510 120 4.25 ※2017年度より
男女別合格者数非公表
4134 680 6.08

変化する私立中学入試

【編集員】県内私立中学入試を振り返ります。今年は58校で229回の入試が行われ、のべ3万名以上が受験しました。実質倍率は男子校で2.78倍、女子校で2.10倍、共(別)学校で2.33倍でした。適性検査型や英語入試に加え「アクティブラーニング入試」といった既成の入試形態にとらわれない試験も登場するなど、まさに多様化しています。

【編集長】入試の多様化は、受験生を一つのモノサシではなく、多面的に評価しようという動きともいえる。多面的な評価は、大学入試改革でも重視される方向性だね。2018年は聖セシリア女子が「グループワーク型読解・表現入試」を、日本大学が「適性検査型」を新設するなど動きがある。また、青山学院横浜英和が共学化し1回目の入試を迎える。横浜富士見丘学園は2018年に中等教育を解消し2019年から共学化する。桐蔭学園は2019年から共学の中等教育に一本化される。戦後最大級の教育改革が進行する中、県内私学もさまざまな改革を進めていくだろう。

区分 受験者数 合格者数 実質倍率 入試回 校数
男子校 8,454 3,037 2.78 35 11
女子校 8,451 4,033 2.10 85 23
共(別)学校 13,963 5,996 2.33 109 24
30,868 13,066 2.36 229 58

※帰国生入試は除く
※3/24現在で受験者数・合格者数ともに判明している学校・入試回のみ集計(入試回・校数は全体)

県内高校入試の動き

【編集員】その流れで私立高校入試です。捜真女学校が高校募集を開始しました。SGH(スーパーグローバルハイスクール)指定校の法政大学女子高校が2018年に共学化、法政大学国際高校に校名変更します。「IBコース」と「グローバル探究コース」が設置され、すでに共学化した法政大学第二高校との違いが明確です。また、桐蔭学園は2018年に別学から共学に変更、「プログレス」「アドバンス」「スタンダード」の3コースが設置されます。そして2020年からの横浜高校共学化が発表され、大きな話題になりました。

【編集長】県内小学6年生児童数と公立中学3年生生徒数を過去20年まとめてみたのが【3】のグラフ。私学が中学入試、高校入試で対象にする人数だ。20年前は約15万7千名だったが、以降は平均1万名程度少ない人数で推移している。【4】は過去15年の市町村別の推移抜粋。川崎市は2,906名増加し実数・伸び率ともトップだが、県外全日制国私立高校への進学者が多く、今年2,306名と県内最多だった。一方、横須賀市と三浦市合わせて1,494名減少、相模川以西の減少も目立つ。

【3】県内小学6年生児童数と公立中学3年生生徒数推移

【4】市町村別小6児童数・公立中3生徒数の増減

【編集員】今年の中3生進路希望調査結果をみると、卒業予定者に占める県内全日制私立高校希望者の割合が2007年以来久しぶりに7%台となりました。通信制も1.9%と過去最高の一方、県内全日制公立高校希望は80.3%と、過去10年で2番目に低い結果でした。

【編集長】全日制公立高校を希望するけれど希望先は未定、という中3生は、昨年1千名を割って今年は899名と過去10年で最も少ない。4年前1502名いたから4割も減っている。目標とする高校があるということは良いことだ。私立高校や通信制希望の増加も、目標とする高校があってのことであれば、多様化という点からもよい傾向といえるよね。「学びの多様化」の中で、私学もそれぞれに魅力を増していくことを願っている。県立高校も3期12年にわたる「県立高校改革実施計画」の中で、20校程度減らす再編統合を進めながら「活力ある魅力あふれた県立高校」づくりを推進するとしている。

【編集員】その公立高校入試では、採点ミスの再発防止策として記号選択問題にマークシート方式が2017年から採用されました。その影響からか、国語の合格者平均点が73.1点と、旧制度最終年と同程度の得点率に上がりました。数学も前年から10点以上アップしました。

【編集長】記述式とマークシート式による試験は、2020年度からの大学入学共通テストも同じだね。平均点が突出して上がった国語と数学がどうなるか注目しておこう。

新大学入試の動き

【編集員】ところで都立高校入試で、英語のスピーキングテストを2019年から試験的に導入するという報道がされました。いよいよ英語4技能が高校入試でも問われるようになります。

【編集長】原理原則論でいえば、現行の学習指導要領も「聞くこと、読むこと、話すこと、書くことなどのコミュニケーションの能力を養う(中学校学習指導要領第9節 第1 目標)」と英語4技能をうたっているから、学力検査で4技能を測るのが本来のあるべき姿といえる。しかしその実現には困難が伴うので、実施されていないととらえるのがよいのかもしれない。
2020年度からの大学新入試も、現行学習指導要領で学ぶ生徒たちが受験するもの。モデル問題や先般実施されたプレテストが、公立中高一貫校適性検査や公立高校入試にきわめて近しいのもそのためだ。ようやく現行学習指導要領に追いついた新大学入試だが、英語4技能評価に関しては大学入試が先行していると、とらえるのがよいだろう。
蛇足ながら高等学校教育に関しては、旧来の大学入試に対応するという点で、必ずしも現行学習指導要領やその背景にある「学力の三要素」に沿ったものではなかった。高大接続改革の議論は、そこがスタートだったわけだね。

【編集員】今年ほど教育界の話題に欠かなかった年はなかった気がします。プレテストを含めた新大学入試については、次回よろしくお願いします。

【編集長】確かに1999年の「ゆとり教育」問題を思い出したよ(笑)。あの時は反対意見が大勢を占めていたけれど、今回の高大接続改革や英語教育改革については、反対の声は一部に限られている。実社会で必要となる力をどう身につけさせればよいかが、理想論でなく具体的に示されているからだろう。来年もよろしくお願いします。

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