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CG’s EYE

急ピッチに進む教育改革Vol.10
大学英語入試最新情報と英語力調査結果

No.021 2017年04月28日

シリーズ10回目の今回は、文部科学省が先ごろ公表した「平成28年度英語力調査結果」および「平成28年度英語教育実施調査」と、一歩踏み込んだ具体策が示された大学入試での英語4技能について見ていきましょう。

英語嫌いの中学3年生は微増の45.4%

現行学習指導要領下では、中学3年生の50%が英検3級程度以上、高校3年生の50%が英検準2級程度以上の英語力を達成することを目標に掲げています。英語力調査は、その結果を指導改善に生かすことを目的に、全国約6万人の国公立中学3年生を対象に平成28年7月に実施されました。【1】は4技能の英語力をそれぞれCEFRレベルで示したものです。前年度との経年変化も今回初めて示されました。

【1】公立校生徒全体のスコア分布

前年と比べA1上位レベルが「聞くこと」で4.6ポイント、「書くこと」で7.6ポイントそれぞれ上昇しました。4技能のバランスで見ると、A1上位以上の割合が最も高いのが「書くこと」で50.8%、最も低いのが「聞くこと」の24.8%とばらつきがあります。「聞くこと」の分析結果によると、慣れ親しんでいる語句・表現にひきずられて、文章全体の意味や文脈をとらえることに課題があるということです。文や文脈を理解する力は「読むこと」でも同様に課題とされています。以前はいわゆる英文和訳、一語一語をていねいに訳していく学習が多かった英語学習ですが、現在はまとまった分量の英文を読んだり聞いたりしてその意味を理解する力が問われるようになっています。その力にはまだ課題があるというわけです。
【2】は英語が好きか嫌いかのアンケート結果です。前年との変化を見ると、「英語が嫌い・どちらかといえば嫌い」の割合が前年より若干増えています。その理由が【3】です。単語や文法を覚えたり書いたりすること、英語のテストの点数が取れないことの合計が7割でした。一方、英語を話したり聞き取ったり、読み取ったりという活動を英語嫌いの理由に挙げたのは1割にとどまります。 英語を使った活動に対してネガティブな感情が強いというよりは、従来型の英語学習、その象徴としてのペーパーテストが英語嫌いの要因となっているというのが、公立中学生の姿のようです。

【2】英語学習は好きですか?

【3】(英語が好きではない)その理由はなぜですか?

一次元の英語学習から三次元の英語学習へ

公立中学生にとっての英語学習の多くは「紙の上」で行われ、その成果も「紙の上」で測られます。もし仮に定期テストが英語でのプレゼンであったら、高校入試が試験官との英問英答であったら、きっと公立中学生の英語学習のあり方は劇的に変化するでしょう。生徒が苦手とする単語学習や文法学習も、テストのための学習ではなく、聞く力・話す力の向上を第一にした語い習得というとらえ方で臨むと、英語嫌いの割合も変化するかも知れません。
英語は「技能」ですから、「一次元から三次元へ」と評価のあり方も大きくそして速やかに変わることが、公立中学生の英語力向上に欠かせないのでは、と考えさせられる結果です。

大学入試の英語は4技能すべてを英検等の活用で

生徒の英語学習に最大の影響を与えるのが入試ですね。入試で問われる力を日々の学習で培うわけで、入試が英語4技能でなければ日本の英語教育は変化するわけがありません。そして大学入試の変化が高校入試ひいては中学入試に影響を与えます。その大学入試での英語4技能対応の方向性が一歩進みました。昨年8月末に出された「高大接続システム改革」の進捗状況では、2つの案が示されていました。案1は民間の資格・検定試験で英語4技能を測り、センター試験に代わるテストは実施しないというもの。案2はスピーキングとライティングを12月までに受ける民間の資格・検定試験で測り、センター試験に代わるテストでリスニングとリーディングを測るというものです。そして案1を目指し当面は案2をもとに実施するとされていました。
今年4月の発表では、案1に従い民間の資格・検定試験を2回まで受験し、良い方を選抜資料に使うことが示されました。案2はいわば受験生の救済措置的なかたちで残す方向のようです。すなわち、現中学3年生以降が大学入試で問われる英語力は、英検など民間の資格・検定試験による4技能の結果ということです。その結果はCEFRレベルに準拠し活用されます。大学入試において現在すでに活用されている英検やTEAPスコアはCEFR_B1レベルです。英検級では2級に相当します。CG中萬学院が中学卒業までに英検準2級取得を目指しているのは、次期学習指導要領での到達目標がCEFR_A2、英検準2級レベルであること、そして現行学習指導要領で学ぶ中学生も、大学入試ではB1レベルが求められていくからです。

CG中萬学院の取り組みは

CG萬学院が昨年から本格導入したICTを活用した英語学習について、今年CG中萬学院を卒塾した生徒にアンケートを行いました。109件の結果が【4】です。長文読解トレーニングシステム「English Express」とスピーキング力向上の「My ET」について入試や英検取得に役立ったかどうかを尋ねたところ、スピーキングトレーニングシステム「My ET」では約5割、長文読解トレーニングシステム「English Express」では6割以上が「役立った」と回答しました。CG中萬学院では小6~中3生全員に専用のタブレット端末を貸し出し、授業以外でも練習できるようにしています。卒塾生自身が思う1日の理想学習時間は62分、実際は44分という回答でした。利用場所は主に自宅のリビングや自分の部屋、就寝前のベッドでという回答が多くありました。一方で「入試前は他にやることがたくさんあった」等の理由でほとんど利用しなかったという回答も見られました。特にスピーキング力向上は高校受験生にとって目先の切実な課題というわけではありません。大学入試まで見据えた4技能の英語力向上に向け、いかにモチベーションをあげていけるか講師の力量が問われるところですね。

【4】MyET、EnglishExpress 役立ち度

英語講師に問われる指導力は

最後に「平成28年度英語教育実施状況調査」結果を見てみましょう。この調査は「第2期教育振興基本計画」(平成25年度~平成29年度)で掲げられた成果指標に対してその到達度を測るもので、全国の公立小・中・高校、中等教育学校、義務教育学校を対象に12月1日を基準日に実施されたものです。教員の英語力、生徒の英語力が都道府県別に公表されました(中学校は政令指定都市別)。
中学生は英検3級以上、高校生は英検準2級以上の英語力を50%という目標を掲げています。教員はCEFR_B2レベル以上の英語力を中学校教員で50%、高校教員で75%以上という目標です。
中学生、高校生で目標を達成している自治体は現在まだありません。教員では中学校で福井県のみ、高校では11の県で達成しています。
特記は横浜市公立中学生の英検3級以上取得率です。全国平均が18.1%にとどまるのに対し、38.5%と実に3人に1人以上が英検3級以上を取得しています。横浜市では公立中学生全員に英検を受検させますが、その成果が際立ったかたちです。現行学習指導要領で目標とする英検3級以上の英語力50%に最も近い都市といえるかも知れません。

【5】平成28年度英語教育実施状況調査

中学校

  教員
CEFR_B2レベル以上取得者
生徒
英検3級以上取得者
1位 福井(56.3) 横浜市(38.5)
2位 広島市(49.7) 東京(29.3)
3位 徳島(49.3) 秋田(28.5)
4位 富山(47.9) 千葉市(25.9)
5位 東京(46.7) さいたま市(24.3)
平均 32.0(+1.8) 18.1(-0.8)
目標達成 1 0

高校

  教員
CEFR_B2レベル以上取得者
生徒
英検準2級以上取得者
1位 香川(89.1) 石川(24.3)
2位 福井(85.8) 青森(21.4)
3位 石川(85.0) 秋田(20.6)
4位 熊本(82.5) 福井(20.4)
5位 富山(81.2) 宮崎(20.4)
平均 62.2(+4.9) 13.0(+1.5)
目標達成 11 0

※目標は英検3級以上相当の英語力を有すると思われる生徒50%

英語は「技能」。つまりいかに練習を積むかで成果が変わってくる教科です。指導者はどのような力が必要なのでしょう。スポーツのコーチは必ずしも選手より優れた技能を有しているとは限りません。選手が十分に効果的にトレーニングを積める環境や練習メニューを用意することであったり、トレーニングの管理であったりがコーチに求められる要件の一つです。同様に、英語の指導者も一定程度の英語力は大前提でしょうが、生徒が授業で授業外で積極的に英語学習に取り組むようなコーチ役、ファシリテーター的な役割が今後求められていくと思われます。目先の高校入試はまだ4技能になっていない中、いかに4技能を高め伸ばす「コーチング」ができるか、それが英語講師に求められる力だといえます。 高大接続改革、次期学習指導要領と戦後最大級の教育改革はいよいよ具体性をもってきました。CG’sEYEでも引き続き取り上げていきます。

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