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CG’s EYE

2016年度 中・高・大学入試トピックス

No.008 2016年03月31日

今回は2016年度入試を振り返り、中学・高校・大学受験それぞれのトピックを中心にお届けします。なお、公立中高一貫校に関しては4月に大きな動きがありますので、次号の特集に回したいと思います。

のべ受験者数、実質倍率もUP!県内私立中学受験

2016年度の東京・神奈川・千葉・埼玉1都3県の中学受験者は4万6,300名、小学校卒業生の15.7%が受験したと推定されます。【1】は小学校卒業生数と中学受験率(小学校卒業生に対する中学受験者の割合)をまとめたものです。2008年のリーマンショック以降減少を続けてきた受験率が、今年は0.3ポイントの上昇に転じました。

【1】1都3県の小学校卒業生数と受験率

【1】1都3県の小学校卒業生数と受験率

※受験率は公立中高一貫校のみの受験者数を除く CG啓明館推定

県内の私立中学入試結果を見ていきましょう。今年のトピックスとして挙げなければならないのは、男子校から共学校化した法政大学第二と、青山学院大学の系属校化し初めての入試を迎えた青山学院横浜英和(旧:横浜英和女学院)です。法政大学第二は女子定員60名に対しのべ486名が受験、実質倍率4.7倍という高倍率になりました。青山学院横浜英和は、2016年度入学以降の生徒が青山学院大学への進学を希望する場合、進学条件を満たせば全員が青山学院大学に進学できるようになりました。また、2018年度からは共学化も予定されています。人気、難度ともに上がっていくものと思われます。

【3】は各中学が実施した、帰国生入試を除く全入試回ののべ受験者とのべ合格者、実質倍率をまとめたものです。県内56校で221回の入試が行われました。のべ受験者数は昨年比103%の3万1,696名、実質倍率は0.3ポイントアップした2.5倍でした。とりわけ共学校、特に大学附属系での人気が今年の特徴です。【4】は昨年から倍率を上げたおもな共学校の入試結果です。

【3】県内私立中学受験者数と実質倍率

2016年度
受験者/倍率 男子校 女子校 共(別)学校 県全体
のべ受験者 8,233 8,398 15,065 31,696
のべ合格者 3,075 3,942 5,880 12,897
実質倍率 2.7 2.1 2.5 2.5
2015年度
受験者/倍率 男子校 女子校 共(別)学校 県全体
のべ受験者 9,266 8,714 12,660 30,640
のべ合格者 3,161 4,270 5,858 13,289
実質倍率 2.9 2.0 2.2 2.3

※非公表の学校を除く。中萬学院調べ

【4】おもな共学校の入試結果

法政大学第二(2016年度)
募集 のべ受験者 実質倍率
男子:150 937 4.13
女子:60 486 4.72
法政大学第二(2015年度)
募集 のべ受験者 実質倍率
男子:175 998 3.62
女子:―
慶應義塾湘南藤沢(2016年度)
募集 のべ受験者 実質倍率
男女:120 613 4.4
慶應義塾湘南藤沢(2015年度)
募集 のべ受験者 実質倍率
男女:120 496 3.6
日本大学(2016年度)
募集 のべ受験者 実質倍率
男女:200 2,167 5.04
日本大学(2015年度)
募集 のべ受験者 実質倍率
男女:240 1,178 2.79
中央大学附属横浜(2016年度)
募集 のべ受験者 実質倍率
男女:160 男子:604 3.71
女子:574 3.01
中央大学附属横浜(2015年度)
募集 のべ受験者 実質倍率
男女:160 男子:570 2.53
女子:656 2.25

日本大学は実に昨年比1.8倍の受験者数です。これは今年度から出願がインターネットのみとなり、24時間いつでも出願できるという利便性が受験者増に影響したものと思われます。今後もインターネット出願は各校で採用されていくでしょう。加えて、他の大学附属系が受験者を増やしていることから見えるのは、2020年大学入試改革の影響です。まだ不透明な部分が多い「高大接続改革」ですから、大学附属系に進学することでそれを避けたいというご家庭も多くあったものと思われます。

中学受験は以前と比べ易しくなった印象があります。確かに一部の学校では定員割れを起こしています。しかし、これまで見てきたようにむしろ難化している学校も多くあり、第一志望に合格することは決して簡単なことではありません。中学受験指導専門のCG啓明館では、「合格以上に進学にこだわる」を合言葉に、ご家庭の「行きたい学校」を最優先した指導をこれからも進めていきます。

新制度入試4回目、過去最高の実質倍率の公立高校受験

それでは次に県内公立高校入試(全日制)について振り返りましょう。新制度から4回目となった今回の入試では、過去最高の実質倍率となりました。また、県立高校改革の影響を受け再編統合対象校の大楠が110名の欠員を出すなど、過去最も多い245名の欠員となりました。【5】は、これまでの公立高校入試の受験状況をまとめたものです。

【5】神奈川県公立高校入試受験状況(全日制)

年度 2016 2015 2014 2013
募集 43,750 43,300 43,760 42,560
受験 52,638 51,471 51,932 49,971
受験後取消 310 314 391 341
合格 43,609 43,291 43,849 42,513
実質倍率 1.20 1.18 1.18 1.17
定員割れ校数 13 15 7 23
欠員 245 105 35 180
倍率1.5倍以上 12 15 11 15

倍率1.20倍というと、30名受けて5名が不合格になる計算ですから、ご自身が公立高校受験された保護者の方の中には「高い」と感じる方も多いと思います。かつての輪切り指導がなくなった現在の公立高校入試ではきわめて高倍率になる高校も毎年多くあります。倍率1.5倍(30名受けて10名不合格)以上の高校が【6】です。新制度以降毎年10校以上が1.5倍超の倍率となっています。

【6】実質倍率1.5倍以上の高校(2016年度全日制)

高校 学科コース 特色検査 定員 実質倍率
上矢部 美術陶芸コース 実技 39 1.69
弥栄 芸術科音楽専攻 実技 39 1.64
川崎市立橘 スポーツ 実技 39 1.64
弥栄 芸術科美術専攻 実技 39 1.63
◎横浜翠嵐 普通 自己表現 358 1.62
◎希望ヶ丘 普通 自己表現 317 1.57
◎大和 普通 - 277 1.56
川崎市立川崎 生活科学 - 39 1.56
有馬 英語コース - 39 1.55
神奈川総合 個性化 - 130 1.55
◎多摩 普通 - 277 1.54
横浜市立東 普通 - 268 1.51

◎…県立学力向上進学重点校エントリー校

前回の特集で見たとおり、主体的な高校選択が可能となった現在の公立高校入試。受験生は自分の行きたい高校に果敢にチャレンジしている姿が、これらの結果からも見て取れます。例年この時期には「学力検査の結果」が公表され、合格者平均点、得点分布が明らかになります。今年は88校330名で採点ミスがあったため公表が遅れており、別の機会で取り上げたいと思います。

現役志願率過去最高の大学入試センター試験

最後に大学入試です。大学入試センター試験参加大学は過去最高の693大学、志願者数も56万3,768名と過去最高となりました。高等学校卒業者等に占めるセンター試験志願者を示す現役志願率も43.4%と過去最高を記録しています。神奈川県内を見ていくと、志願者数は東京、愛知に次ぐ全国第3位の3万5,863名、現役志願者も全国第3位の2万9,274名でした。一方、現役志願率は県内では過去最高の44.2%となりましたが、全国18位の現役志願率です。神奈川県は大学等進学率全国第3位(2015年度)と高いのですが、センター試験の現役志願率が低いのが特徴です。これは、私立大学の推薦・AO入試を利用しての大学進学が他県と比べて高い傾向にあることを示しています。

ところで、今春の大学入試のトピックスを挙げると、東大の推薦入試と民間の英語資格検定活用の入試です。「学部学生の多様性を促進し、それによって学部教育の更なる活性化を図る」ため今年度から実施された東大の推薦入試。全学部で100名程度の募集に対し173名が出願、77名が合格しました。各高校男女各1名以内が出願でき、推薦要件を満たしたことを証明する資料や調査書・学校長からの推薦書等で第1次選考が行われます。第2次選考は面接等とセンター試験の受験で、最終合格が決定されるというものです。例えば法学部の推薦入試をみてみましょう。

【7】東大法学部推薦入試 (募集要項をもとに作成)

募集人員 10人程度
推薦要件 以下のすべてに該当する者
  1. 学業成績に秀でていること。(各校の上位概ね5%以内)
  2. 現実の中から本質的な問題を発見し、独創的な形で課題を設定する能力を有すること。
  3. 問題の解決に向けてイニシアティブを発揮できること。
  4. 異なる文化的背景や価値観を有する他者とのコミュニケーション能力に優れていること。
推薦要件を証明する資料の例
  1. 在学中に執筆した論文(日本語の場合、図表部分を除き6千字以上)で、志願者の問題発見能力・課題設定能力を証明するもの
  2. 社会に貢献する活動の内容を具体的に証明する資料(表彰状、新聞記事等)
  3. 留学経験など、志願者が異なる文化的背景や価値観への理解を有することを示す資料(留学の事実を証明する資料、外国人との交流や支援活動を行ったことを示す第三者の推薦状など)
  4. 国際通用性のある入学資格試験における優秀な成績を証明する資料(国際バカロレア、SATなど)
  5. 外国語に関する語学力の証明書(TOEFL、英検、IELTS、TestDaF、DALF、HSKなど)
面接等の方法
  1. グループディスカッション(その場で与えられたテーマについて少人数のグループで議論し論理的思考力・発想力・コミュニケーション能力等を審査)
  2. 個別面接(法や政治に関する関心と、それを学ぶ能力の確認)
センター試験 5教科8科目または6教科8科目

初年度合格者は24名、入学後は前期課程で法学部専門科目の受講、後期課程では大学院(法学政治学研究科)の受講が許可されます。ちなみに法学部は1学年400~500名規模ですから、推薦入試で入学する学生はごくわずか。「推薦入試で入学した学生が、東京大学、ひいてはグローバル社会の活力の源として活躍すること(募集要項)」が期待されています。

英語4技能重視の大学入試改革はすでに始まっている

文部科学省の調査によると、2016年度入試で英検やTEAP、TOEFLなど民間の資格試験を活用した大学は43%に上ったそうです。推薦・AO入試だけでなく、一般入試でも受験生の英語4技能の力を測るものとして拡大しています。TEAPは入学試験に代わり、英語4技能を測るモノサシとして英検協会と上智大学が開発し、昨年度から実際に活用されるようになりました。高校在学中に受験し出願基準のスコアを取れば、本番の英語試験が免除されるTEAP。上智大学では昨年TEAP利用の受験者が9千名を超えました。

ところが今年はTEAP利用の受験者は半減、4,634名でした。なぜでしょう。それは、複数の学部学科で2技能から4技能のスコアへと出願基準を変更したからです。例えば経済学部経営学科は昨年1,011名の志願者が今年は152名へと激減しています。このことは、高校生の英語学習がスピーキング力を含む4技能対応になっていないことを奇しくも証明しました。しかし、上智大学では2017年度入試においてTEAP利用はすべて4技能のスコアへと変わります。

スピーキング力を含めた4技能の英語力が大学入試で求められる方向性は上智大学に限ったことではありません。2016年3月25日に公表された「高大接続システム改革会議最終報告(案)」では大学入試センター試験に代わる「大学入学希望者学力評価テスト(仮)」について次のように記述しています。

英語については、「書くこと」や「話すこと」を含む四技能について、例えば、情報を的確に理解し、語彙や文法の遣い方を適切に判断し活用しながら、自分の意見や考えを相手に適切に伝えるための、思考力・判断力・表現力を構成する諸能力を評価する。また、民間との連携の在り方を検討する(※)。

(※)(調査書の見直しについて)一定の留意事項(例えば検定のスコアや取得年次、活動の取組内容や期間など)を踏まえて記載されるよう、「記入上の留意点」等を見直す。

「大学入学希望者学力評価テスト(仮)」での4技能評価と、英検等民間資格検定の取得状況を調査書へ明記できるようにすることが明示されています。

英語学習を始める中学生は、スピーキング力含めた4技能の英語学習に真剣に取り組む必要があります。CG中萬学院がICTを活用しスピーキング力向上も含めた英語学習を始めるのもそのためです。その学習は、保護者の方が経験したことのない学習スタイルかもしれません。しかし、テキストとノート、時折使うCDといった英語学習では、英語4技能の力は身につけられないのも明らかです。

大学入試は2020年を待たずにすでに改革が進んでいること、そして英語4技能強化は「今すぐ」取り入れなければならない学習であることをお伝えし、今回の結びとします。

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