麻布 中学校/高等学校

地下鉄日比谷線「広尾駅」より徒歩10分、地下鉄南北線、都営大江戸線「麻布十番駅」より徒歩15分、地下鉄千代田線「乃木坂駅」より徒歩20分。大使館や外資系企業が多い東京港区元麻布の地にあり,周辺は静かで落ち着いた雰囲気が漂う。麻布中・高等学校は難関国私立大に毎年多くの合格者を輩出している、東京の男子校御三家のひとつ。1895年(明治28年)、衆議院議員などを務めた江原素六が創立。氏が生涯をかけて追求した「絶えざる自己反省と他者への温かいまなざし」を建学の精神とし、創立以来自主・自立の精神を大切に、自由闊達な校風を育んでいる。校務主任の平秀明先生にお話を伺った。
幅広い教養を身につける

1995年に創立100周年を迎え、校史『麻布学園の100年』の発刊、図書館やクラブ部室のある「創立100周年記念館」の竣工、国際交流プログラムの開設という3事業を新たな世紀に向けて実施しました。ハード面の充実とともに、学習指導要領に合わせながら、独自のカリキュラムでソフト面の強化を進行中です。その一つが、土曜日の3、4時間目、高1・高2生対象の「教養総合」の授業で、今年5年目に入ります。人文系の「短編小説を書く」や、科学系の「初等量子化学入門」のほか、語学系、芸術系、スポーツ系、テーマと講師が回ごとに代わるリレー講座、など全部で40余の講座を用意しています。生徒は多様な講座群から、関心のある講座を学期ごとに1つ選択します。学年、教科の枠を取り払い各自の関心にそった授業で、単なる進学校ではなく、幅広い教養を身につけ、切磋琢磨しながら、勉学への積極性や自発性を高めます。科学系の「ロボコン」や芸術系の「篆刻(てんこく)印を創る」など人気がありますね。二つ目は、『自分で考えて、その考えを的確に表現する』という力を付ける機会を増やしていることです。麻布では「表現する」機会が少なくとも2回あります。1回目が中3の共同卒業論文で、近・現代作家の中・長編小説を3~4名のグループで研究し、最後は原稿用紙100枚に自筆でまとめる、というもの。もう一つは高1の社会科基礎課程修了論文で、地歴・公民分野より、自分でテーマを選び、半年近く時間をかけて論文にまとめます。07年の中3の卒業論文では、島尾敏雄『出発は遂に訪れず』や、大岡昇平『野火』などの課題図書を読んで論じ、高1の修論は、「患者の望む死に対する医師の責任(理想の死と理想の医師)」などの発表作品がありました。このような論文作成になくてはならぬものが、豊富な資料やコンピュータが自由に使える図書館です。蔵書約7万冊、コンピュータスペース20席、閲覧席約120席の規模で、朝9時から夕方5時半まで出入り自由なので、「自主的創造的な学習活動」に大いに利用してもらいたいと願っています。
普段の授業の積み重ねを大切に

高1までは全員同じカリキュラムで、高2から文系理系に分かれます。各教科、中高6年の連続性を考えた独自のカリキュラムなので、授業は担当教師の独自プリントが多いですね。中1の前半の授業ではあまり使われていなかった五感を解きほぐすため、体を動かしたり、調理をしたりと実技教科にも力を入れています。国語は、読解力・表現力養成に重きをおき、中3で卒業論文を完成。英語は中1からネイティブによる会話の時間を、中2、3では1クラスを2つに分ける分割授業もあり、きめ細かく指導をしています。数学も中2で中学の内容を修得し、中3では高校数学の基礎を、高3の1学期までに高校の課程を終了。高2ではコンピュータを利用した演習も選択科目に設定しています。進度も速いですが、英語、数学とも回数多く小テストを行い、学習内容の定着をはかっています。社会は、中1で世界の地理と歴史の分野を統合した「世界」を、中2では日本史を中心とした歴史と地理の2科目を、中3からは公民的分野と日本の近現代史を、高1では「現代」という科目で近現代のさまざまな問題を総合的に学習します。高1で社会科の基礎課程を修了ということで、修了論文としてまとめます。理科は物理・化学・生物・地学の4科目を高1まで必修、実験室7室、AV教材を有効に使いながら、論理的考察を加えながら科学的なものの見方を習得します。07年には2人の高3生がそれぞれ国際化学オリンピックで大賞、国際物理オリンピックで銀賞を獲得、また今年は高2生が国際生物学オリンピックで見事銀メダルを獲得しました。これを機会にぜひ後輩たちも国際オリンピックにチャレンジしてもらいたいと思います。特別講習は夏休みの3週間、高3生対象で。最後の追いこみ時期、教師も生徒も熱が入ります。生徒とともに90名余の男女専任教師と専門性の高い講師30名余でがんばっています。
麻布でこれだけはやりたい、というものを見つけて



年間行事として大きなものは5月に文化祭、秋には運動会があります。文化祭には特に力が入りますね。立候補で選ばれた委員長のもと各部門の委員たちが、予算から、テーマ、イベントや展示企画に運営、当日の清掃に至るまで、準備に半年をかけすべて生徒達の手で行います。今年は3日間で約2万3千人の来場者を迎えました。10月には中3生が北陸・奈良京都・広島の3コースへ、高2生は北海道・九州・沖縄・台湾の各コースへ修学旅行へ行きます。これらも生徒代表の旅行委員、教師、業者三者が一体となり、コース設定など細かく決めるのですが、生徒一人ひとりこだわりがあるので、全体をまとめるのが大変です。クラブも文化系スポーツ系あわせて約50あり、大変盛んです。原則中高一緒に活動します。チェスや囲碁、将棋部では世界大会へ行っていますし、運動部では中学のサッカー部が昨年がんばって都大会で準優勝しました。部の掛け持ち自由、2つどころか3つも4つも入っている生徒もいます。苦楽を共にした人間関係の絆は、卒業後もしっかりと続いていくようです。クラブは高2の秋で交代。クラブに集中できた生徒は、受験への切り替えが早いですね。国際交流プログラムはイギリスやカナダ、中国との交流があり、カナダとは生徒の相互訪問を毎年行っています。参加した生徒は、日本では得られない貴重な体験をたくさん積んでくるようです。国際的な視野をもった生徒を育てるために、事業の一層の充実をはかります。このように麻布は、自主自立の精神のもと、いろいろな方面で自主的創造的な学習活動に取り組んでいる学校です。文化祭での生物部の展示に驚き自分もやってみたい、とか運動会に自分も参加したい、あの図書館を使いこなしたいなど、麻布でこれだけはやりたい、という目標を持って入学してくれるとうれしいです。
CG啓明館に通う皆さんへのメッセージ

麻布は二兎を追う学校です。待っています。麻布中学校 校長 氷上 信廣(2008年10月取材)









