入試最前線
2009年12月10日号
>> 2010年度 神奈川県公立高校入試展望

神奈川県教育委員会は11月30日(月)、「平成21年度公立中学校卒業予定者の進路希望調査の結果」を公表しました。今回はこの調査結果をもとに、2010年度入試について展望してみます。
※本文中のグラフや地図はクリックすると拡大できます。

★神奈川県全体状況は昨年度より厳しく
はじめに全体の希望状況についてお伝えします。2010年3月の公立中学校卒業予定者総数は昨年度よりも3,304名多い68,679名。全日制高等学校等へ進学を希望する生徒は62,621名と昨年度より2,397名増えています。このうち「県内公立高校」への進学を希望している生徒は55,587名でこちらも昨年度から2,483名増えています。先日発表された全日制公立高校当初募集定員総数(特別募集をのぞく)は41,642名で昨年度からの増加数は1,752名(特別募集を除く)。つまり、募集定員の増加数は県内公立高校進学希望者増加数のおよそ7割程度にとどまっていることになります。長引く経済不況の影響で県内および県外私立高校を第一希望とする生徒の割合が現時点で横ばいまたやや下がっていることからも公立中学3年生の県内公立高校への進学志向が高いと推測でき、昨年度以上に厳しい競争となることが予想されます。 また、今年度は定時制公立高校の希望者数も昨年度より336名多く、進学希望率は過去最高の1.8%となっています。

■〔表1〕 2010年度県内公立・県内私立・県外国公立・県外私立高等学校(全日制)進学希望状況

 区 分  2010年度  2009年度  増 減
人数
構成比
人数
構成比
人数
構成比
   卒業予定者総数
68,679人
100.0%
65,375人
100.0%
3,304人
-
   全日制高等学校    計
62,621人
91.2%
60,224人
92.1%
2,397人
△0.9%
   県内公立高等学校
55,587人
80.9%
53,104人
81.2%
2,483人
△0.3%
   県内私立高等学校
4,155人
6.0%
4,153人
6.4%
2人
△0.4%
   県外国公立高校
418人
0.6%
362人
0.6%
56人
-
   県外私立高校
2,461人
3.6%
2,605人
4.0%
△144人
△0.4%

★地元残留率はさらに下降。交通の利便性が高い地区で生徒移動が顕著

 
 

次に希望調査の結果を地区(旧学区)別・高校別に見ていきましょう。まずは地区別です。2005年春の全県一学区制開始以降、中学校が所在する市区町村と同一地区の高校への進学希望率が多くの地区で年々下降しています。今年度もこの傾向は続いており、全県の地元残留率がはじめて60%を下回りました。なお、県内でもっとも地元残留率が低いのは旧横浜南部36.4%、もっとも高いのは旧横須賀三浦84.7%で、地区ごとで大きく差があることもあわせてお伝えしておきます。
希望状況調査の結果をもとに生徒の動きを地図に表したものが〔表3〕です。地元から移動する人数がもっとも多いのは昨年度と同様に旧横浜西部で、生徒100名以上の移動が6地区にわたって起き、そのうち600名を超す生徒が旧横浜中部の高校を希望しています。一方、全17地区のうち、もっとも他地区からの希望の割合が高いのは旧横浜中部で、希望者全体の約60%以上を占めています。昨年度と希望状況が大きく異なるのは旧鎌倉藤沢と旧横浜北部で、この理由の一つとして昨年度の受検状況を受けての敬遠が挙げられます。地元の生徒が隣の地区へ500名以上移動しているのが特徴的で、それぞれ旧茅ヶ崎と旧横浜東部がその行き先になっていることが矢印の動きでわかります。

★進学重点校の人気は昨年度並み
次に高校別の希望状況について、昨年度と同時期の調査データと比較しながらお伝えします。昨年度に比べて希望者数の割合が100%を上回る学校が数多くありますが、これは県内全地区(旧学区)で中学3年生の人数が昨年度よりおよそ5%増えているためです。また、地区ごとに生徒の増加割合はプラス5~10%の間で異なっていて、そちらも踏まえた上で資料をご覧ください。
>> 県内全日制高等学校別進学希望状況(PDFファイル)
2010年度募集を行う全日制高校155校のうち、普通科で500名超の希望者を集めている高校は昨年度から4校増え、全部で12校(麻溝台・市ヶ尾・海老名・川和・座間・湘南・茅ヶ崎・市立戸塚・柏陽・市立横須賀総合・横浜翠嵐・横浜平沼)です。このうち市ヶ尾・海老名・川和・横浜翠嵐の4校は現時点で希望者が600名を超えています。市ヶ尾と川和は4年連続で希望校調査時に600名を超えており、人気の高さがうかがえます。学力向上進学重点校10校の状況については、横浜翠嵐が666名と昨年度調査を150名以上も上回る生徒が希望していて特出しているほか、湘南・柏陽がそれぞれ500名超となっています。その他の7校についても昨年度並みの人気を保っているといえます。開校初年度で高倍率となり大きな話題となった市立横浜サイエンスフロンティア。すでに今年度より後期で独自問題による選抜を行うことが発表されていますが、現時点で募集定員237名に対し希望者数409名と今年も厳しい競争となることが予想されます。このほか、昨年度開校初年度の様子見のために敬遠が見られた横浜栄や平塚湘風、座間総合で生徒が戻っています。

★情報に惑わされることなく、志望校に向かってしっかりと学習を
今回、希望調査結果を見る上でご注意いただきたいのは、調査時期が募集定員発表以前の10月20日時点のものであるということ、またこの調査結果が中学校で行われる進路面談の資料として利用されるため、毎年そのアナウンス効果によって希望に変化が起きるという点です。ですから今回の調査結果を見て、自分の志望校の人気が高いからといって悲観的になったり、敬遠する必要はありません。また、反対に人気が低いからといって安心できるというわけでもありません。大切なのは自分の目標とする高校を目指し、これからの約2ヶ月余りでしっかりと学力を磨くことです。中萬学院では12月から入試直前対策特別授業が始まりました。これから冬期講習・正月特訓・パーフェクト特訓と受験生はいよいよ正念場を迎えます。志望校合格に向けて入試本番で確実に得点できる力をつけられるよう、一緒に頑張っていきましょう。


 
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