入試最前線
2008年12月15日号
>> 2009年度 神奈川県公立高校入試展望

神奈川県教育委員会は12月2日(火)、「平成20年度公立中学校卒業予定者の進路希望調査の結果」を公表しました。今回はこの調査結果をもとに、2009年度入試について展望してみます。
※本文中の地図はクリックすると拡大できます。

★神奈川県全体状況は昨年度とほぼ変わらず
2009年3月の公立中学校卒業予定者総数65,375名のうち、全日制公立高校(普通科・専門学科・総合学科)への進学を希望する生徒は60,224名、割合にすると92.1%で前年度よりも0.4%上昇しています。2009年度全日制高校当初募集定員(40,079名)をもとに「10月希望者数÷募集定員」を希望倍率として計算すると1.50倍となります。昨年度は1.49倍でしたからほぼ同じです。普通科・専門学科・総合学科それぞれの希望倍率については専門学科でやや上昇しているものの、全体の状況は昨年度と概ね変わらないといえます。しかし、地区や高校ごとの希望状況には大きな違いが見られます。

■〔表1〕 2009年度全日制高等学校 募集定員に対する希望者数の割合
※希望倍率=10月希望者数÷募集定員で計算

 区分
2009年度入試
2008年度入試
希望者数
当初募集定員
希望倍率
希望者数
当初募集定員
希望倍率
 普通科
49,512
31,177
1.59
48,965
30,962
1.58
 専門学科
7,129
5,935
1.20
6,840
5,932
1.15
 総合学科
3,583
2,967
1.21
3,290
2,730
1.21
 計
60,224
40,079
1.50
59,095
39,624
1.49

★地元残留率はさらに下降。交通の利便性が高い地区で流入と流出の動きが顕著
ここからは希望調査の結果を地区別・高校別に見ていきましょう。まずは地区(旧学区)別です。2005年春の全県一学区制開始以降、中学校が所在する市区町村と同一地区の高校への進学希望率が多くの地区で年々下降しています。今年度もこの傾向はさらに強まっています。( >> 〔表1〕残留率の推移pdf)
希望状況調査の結果をもとに生徒の動きを地図に表したものが〔表2〕です。複数路線が乗り入れ、交通の利便性の高い地区は流出や流入がとくに起こりやすくなっています。流出の割合が最も高いのは昨年度と同様に旧横浜西部で、生徒100名以上の移動が旧横浜北部や旧大和座間綾瀬など6地区にわたって見られます。一方、最も流入の割合が高いのは旧横浜中部です。希望者全体のうち約60%が他地区からの生徒となっています。旧横浜南部や旧横浜西部からは500名を超す希望者がいるほか、合計6地区から100名を超す生徒が希望しています。

★進学重点校の人気は昨年度並み。注目は市立横浜サイエンスフロンティア高校
次に高校別の希望状況(>> 県内全日制高等学校別進学希望状況pdf)についてお伝えします。2009年度募集を行う全日制高校は全部で157校です。このうち普通科で500名超の希望者を集めている高校は全部で8校(市ヶ尾・川和・横浜翠嵐・横浜平沼・海老名・市立南・湘南・秦野)あります。8校のうち市ヶ尾・川和・横浜平沼の3校は600名を超えており、現時点では募集定員の1.5倍から2倍近くの生徒が希望していることになります。とくに市ヶ尾と川和は3年連続で希望調査時に600名を超えています。(>> 希望者数・希望倍率トップ10pdf)昨年度は県立高校10校が神奈川県教育委員会より「学力向上進学重点校」の指定を受け、希望調査でも人気を集めました。2009年度は湘南と横浜翠嵐の2校で昨年度同様の500名超、その他の8校についてもほぼ昨年度並みの人気を保っているといえます。小田原は希望者が63名減っていますが、昨年度が例年以上に応募者多数であったため、今年は様子を見ているものと考えられます。旧学区トップ校は秦野や大和で約60名増、昨年度調査では希望者を減らした厚木と横浜緑ヶ丘の2校については、厚木が昨年度並み、横浜緑ヶ丘はやや増加しています。秦野と大和はこのままの人数で推移した場合、昨年度より厳しい入試となるでしょう。これからの動きが気になるところです。再編統合により誕生する横浜栄・平塚湘風・座間総合については現時点で3校ともに希望者数が募集定員を下回っています。新校に対する警戒心が働いているものと思われます。2009年度「クリエイティブスクール」として指定を受けた田奈・釜利谷・大楠のうち田奈と釜利谷の2校では、昨年調査時より約150名プラスと大幅に希望者が増えています。今回の希望調査でとくに注目したいのが、2009年4月開校の市立横浜サイエンスフロンティアの人気です。新校であるにもかかわらず、募集定員237名に対し400名を超す希望者が集まっており、新校への期待値の高さがうかがえます。

★情報に惑わされることなく、志望校に向かってしっかりと学習を
今回、希望調査結果をご覧いただく上でご注意いただきたいのは、この調査結果が募集定員発表以前の10月20日時点のものであるということ、またこの調査結果が中学校で行われる進路面談の資料として利用されるため、毎年そのアナウンス効果によって希望者の移動が起こるという点です。ですから今回の調査結果を見て、自分の志望校の人気が高いからといって悲観的になったり、敬遠する必要はありません。また、反対に人気が低いからといって安心できるというわけでもありません。大切なのは自分の目標とする高校を目指して、これからの約2ヶ月余りしっかりと努力を続けていくことです。中萬学院では12月より入試直前対策特別授業が始まりました。これから冬期講習・正月単科特訓・パーフェクト特訓と受験生はいよいよ正念場を迎えます。志望校合格に向けて入試本番で確実に得点できる力をつけられるよう、一緒に頑張っていきましょう。


 

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