入試最前線
2007年9月20日号
>>私立高校の入試制度と受験組み立てパターン

新学期がスタートしました。中3生はいよいよ本格的な受験モードに突入します。これまで高校入試最前線では公立高校入試についてお伝えしてきましたが、公立高校が第一志望の場合でも私立高校の選択が大切になります。併願する私立高校を納得して選択することで、第一志望の公立高校を安心して受験できるからです。今回は私立高校の入試について見ていきましょう。

★神奈川県内私立高校の入試制度
前期選抜と後期選抜で実施される公立高校に対し、私立高校の入学者選抜はやや複雑です。下の〔表1〕にまとめました。 神奈川県内の私立高校入学者選抜には「推薦入試」「書類選考」「一般入試」3つの方法があります。さらに推薦入試と一般入試にはそれぞれ3つに分類できます。多くの高校はこれらの中から2種類以上の方法を採用しています。
■表1 神奈川県 私立高校入試制度一覧
制度の呼称
内申等の基準

筆記試験

他校との併願受験

推薦入試
推薦Ⅰ
×
できない
推薦Ⅱ
×
公立の前期のみできる
併願可能推薦
×
できる
書類選考
×
一般にはできない
一般入試
単願
一般にはできない
併願
一般にできる
一般受験(オープン)
×
できる

〔表2〕は私立高校が採用している入試制度の例(※平成19年度入試)を挙げたものです。ここで取り上げた高校だけでも実施状況に違いがあることがわかります。公立高校では内申を選抜材料の一つにしていますが、私立高校でも内申等の必要な基準がある場合は、事前に『内申点○以上』とクリアするべき基準が提示されます。推薦入試の中の「推薦Ⅰ」はその高校が第一志望の生徒が対象で、試験は面接のみ(作文を課す高校もある)で、筆記試験は行われないのが一般的です。ほとんどの学校の場合、中学と高校の間で事前に入試相談が行われるため、内申などの出願資格(打診基準)を満たしていれば、ほぼ合格となります。ただし、慶應義塾や日本女子大学附属のように、出願資格を満たしていても不合格者が出る高校もあります。「併願可能推薦」は、その高校が第一志望でなくても受験が可能で、公立高校を第一志望とする生徒が後期選抜と併願して受験することができます。鎌倉学園や桐蔭学園などで実施しています。
一般入試は筆記試験が行われ、こちらも3つの種類があります。「単願」は「単願確約」または「専願」とも呼ばれ、その高校を第一志望とする生徒が対象です。推薦入試同様、内申などの出願資格(打診基準)を満たしていればほぼ合格します。公立高校を第一志望とする生徒が押さえ校として受験するのが「併願(併願確約)」です。推薦入試や一般入試の単願同様、中学校と高校の間で事前相談が行われ、打診基準を満たしている生徒であれば、不合格となる可能性はほとんどありません。神奈川県内では、鎌倉学園・慶應義塾・桐蔭学園・桐光学園・日本女子大学附属・法政大学第二・法政大学女子といった難関・上位校をのぞく大部分の高校でこの制度が実施されています。神奈川県以外の国・私立高校にも併願制度はありますが、県内ほど多く実施されていません。「一般受験」は「オープン」とも呼ばれ、試験当日の結果のみで選抜を行います。打診基準はなく、何校でも受験できます。 一般受験(オープン)を行う学校は〔表3〕をご参照ください。

■表2 各高校が採用している入試制度の例 (※平成19年度の例)
※△は受け入れているが、枠は明示されていないことを示します。
高校名 推薦入試
書類選考
一般入試
推薦Ⅰ
推薦Ⅱ
併願可能推薦
単願
併願
一般受験
(オープン)
鎌倉学園
×
×
×
×
×
北鎌倉女子学園
×
×
×
慶應義塾
×
×
×
×
×
向上
×
×
×
×
×
湘南工科大学附属
×
×
相洋
×
×
×
立花学園
×
×
×
桐蔭学園
×
×
×
×
×
東海大学付属相模
×
×
×
桐光学園
×
×
×
×
×
藤嶺学園藤沢
×
×
×
日本女子大学附属
×
×
×
×
×
日本大学藤沢

×
×
×
平塚学園
×
×
法政大学女子
×
×
×
×
×
山手学院
×
×
×
×
横須賀学院
×
×
×
横浜
×
×
×
横浜隼人
×
×
×
×

■表3 一般受験(オープン)を実施する首都圏の国・私立高校(抜粋) (※平成19年度の例)
  併願などの制度もある高校 併願などの制度がない高校
男子校
藤嶺学園藤沢、藤沢翔陵、武相、横浜 海城、開成、鎌倉学園、慶應義塾、
慶應義塾志木、巣鴨、筑波大学附属駒場、
法政大学第二
女子校
鎌倉女子大学、北鎌倉女子学園、聖和学院、
緑ヶ丘女子、横浜国際女学院翠陵、
横浜山手女子
日本女子大学附属、法政大学女子
共学校
アレセイア湘南、鵠沼、光明学園相模原、
湘南工科大学附属、橘学苑、日本大学藤沢、
山手学院、横須賀学院、横浜清風、横浜創英、
横浜創学館
青山学院、筑波大学附属、桐蔭学園、
東京学芸大学附属、
東京工業大学附属科学技術、桐光学園、
早稲田実業、早稲田大学高等学院
※横浜山手女子・横浜清風は併願と同日に実施。
★公立高校第一志望合格のカギは私立高校の組み入れ方
平成20年3月の県内公立中学校卒業予定数は65,052名です。今春の公立高校募集定員(全日制)は39,733名で、県内私立高校の募集定員は15,446名(二次募集含まず)でしたから、公立中学出身の生徒の多くが公立高校進学を目指します。平成20年度の公立高校募集定員の発表はまだされていませんが、19年度から大きく定員が増えることはないと思われます。神奈川県では、公立高校が第一志望であっても、高校受験を考える上では私立高校を組み入れて受験パターンを考えるのが一般的で、「どのように組み入れるか」がポイントになります。ここで後期選抜まで視野に入れた、実際の受験パターンの組み立て方について見ていきましょう。

■表4 Aさんの受験組み立てパターン  
は一般(オープン)も受験する場合
≪Aさんの受験校選択のポイントと成績≫
・高校卒業後の大学進学に有利な高校、できれば公立に進学したい。
・中2と中3を合わせた内申数値は125、模試偏差値は65前後
入試日程 受験校
1月
23日
桐蔭学園〔理数〕(推薦)
 
24日
桐蔭学園〔理数〕(推薦) 合格発表
2月
10日
日大藤沢(併願)
  
11日
桐蔭学園〔理数〕(オープン)
   
12日
桐蔭学園〔理数〕(オープン) 合格発表
   
13日
日大藤沢(併願) 合格発表
  
22日
柏陽(後期選抜)
3月
1日
柏陽(後期選抜) 合格発表
※入試日程は平成19年度入試のものです。
受験スケジュールの一例を右の〔表4〕にまとめました。このAさんは第一志望を柏陽、押さえ校を日大藤沢、併願可能推薦で桐蔭学園(理数)に挑戦します。(※桐蔭学園の併願可能推薦は適性検査実施あり。不合格となる場合もある。)この時点で日大藤沢の合格はほぼ約束されていますから、柏陽と桐蔭学園に安心して挑戦することができます。志望優先順位をまとめると、柏陽>桐蔭学園(理数)>日大藤沢となります。もし挑戦校の桐蔭学園(理数)が不合格だった場合、その段階で合格が確実でない柏陽から安全圏の公立に変更するという選択肢もあります。しかし、Aさんの希望は「大学進学に有利な高校への進学」ですから、安全圏の公立と日大藤沢の大学合格実績を比較すると、日大藤沢>安全圏の公立となりますから、志望優先順位は柏陽>日大藤沢>安全圏の公立となり、Aさんは後期選抜で柏陽合格を目指して最後まで努力を続けることになります。

現段階で判明している私立高校の入試要項より、昨年度入試から変更のあった首都圏のおもな私立高校について、以下にまとめました。
≫平成20年度おもな私立高校入試要項変更(9/20現在)
学校名 所在地 変更内容
神奈川学園 横浜市神奈川区 20年度入試のみ、高校募集休止。21年度は10名前後で募集再開予定。
鵠沼 藤沢市 オープン入試(2)を2/17から2/16に移動。
光明学園相模原 相模原市 2/11にオープン入試を新設。文理コースのみで5名の募集。
品川エトワール女子 東京都品川区 国際コースを新設。募集は30名。
聖セシリア女子 大和市 一般入試日を2/10から2/12に移動。
鶴見大学附属鶴見女子 横浜市鶴見区 20年度より特進コースを共学化。校名を「鶴見大学附属」に変更予定。
桐蔭学園 横浜市青葉区 ☆推薦入試日を1/23から1/22に移動。☆推薦出願資格変更点:≪男子
理数科・女子理数コース≫海外帰国子女で英検2級以上、または
TOEFL440点以上→TOEFL450点以上。≪男子普通科・女子普通コース
≫英検2級以上→英検準2級以上。
日本工業大学付属東京工業 東京都目黒区 校名を「日本工業大学駒場」に変更。共学:特進・理数特進・総合進学の
3コースを新設。
白鵬女子 横浜市鶴見区 情報ビジネスコースをビジネスコースに名称変更。
藤沢翔陵

藤沢市

普通科を普通科文理コースに名称変更。
オープン入試日を2/12から2/11に移動。

朋優学院 東京都品川区 普通コースを進学コースに名称変更。
明治学院 東京都港区

一般1回を2/10から2/11に移動。一般2回を2/17から2/18に移動。

明治大学付属明治 東京都千代田区 20年度より共学化、調布へ移転。
横浜英和女学院 横浜市南区 20年度入試より高校からの募集を停止。
横浜富士見丘中等教育
横浜市旭区 19年度より「富士見丘」が校地を移転、中等教育学校へ。20年度入試よ
り、高校からの募集を停止。
静岡県内およびその他特記事項
静岡県内私立高校 静岡県内私立高校の統一入試日が2/7・8の1回に。

東海大学付属相模
(相模原市)

19年度より、文部科学省から英語教育を重点的に行う研究開発学校(SELHi)に指定される。
(21年度満了)

★何を重視するのか、優先順位をつけよう
ここまで見てきたように、受験組み立てパターンを考える際「①何を最も重視するのか、②そのために私立高校をどう組み入れるのか」が大切になるといえます。このとき、受験生自身だけでなくご家族も含めて、優先順位をよく話しあっておくことが必要になるでしょう。〔表4〕のAさんの場合は「大学進学に有利な高校、できれば公立高校に進学したい」と優先順位が明確であったため、このような受験パターンを組み立てることができました。各私立高校の平成20年度入試の選考基準が明らかになるのは10月下旬頃からです。入試日程も考え合わせ、第一志望合格のために最良な受験組み立てパターンを考えていきましょう。中萬学院では、10/6(土)より順次「高校入試対策説明会」を各スクールで実施します。また10/28(日)には横浜そごう9F新都市ホールにて「中萬学院主催私立高校入試相談会2007」を開催します。みなさんの受験校決定に欠かせない最新重要情報をお伝えします。個別進路面談もスタートしますから、一人ひとりの具体的な組み立てパターンを個人担任と話し合っていきましょう。中萬学院はみなさんの第一志望合格を最後まで応援します。

 
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