入試最前線
2007年8月20日号
>>神奈川県教育委員会「平成19年度神奈川県公立高等学校入学者選抜学力検査の結果」を公表!

7月下旬、神奈川県教育委員会は平成19年度に実施された「公立高校入学者選抜学力検査の結果」を公表しました。今月は19年度の後期選抜についてあらためて振り返るとともに、20年度の後期選抜選考基準のポイントについて見てみましょう。

■平成19年度全県共通問題実施結果
〔表1〕は神奈川県教育委員会が公表した平成18年度及び19年度の全県共通問題の教科別得点分布と合格者平均点をまとめたものです。19年度各教科の平均点は30点台ですが、分布割合を見るとどの教科も36点以上の層に、国語・数学・理科については41-49点の層の得点者が多いことがわかります。18年度と比較すると、特に平均点に大きな変動があったのは英語と社会で、2教科とも4ポイント近く下がっています。英語は得点分布割合も大きく変わり、分布割合をあらわすグラフの傾斜が緩やかになっているのが特徴的です。社会は他の4教科に比べて満点が少ないことがわかります。時差の計算やグラフの読み取りなど、「情報処理能力」や「思考力」を求める問題で正答率が低く、暗記だけでは得点できない問題が増え、満点が取りにくかったと考えられます。

ここで注意しておきたいのは、共通問題の平均点は独自入試実施校を除く、全ての学校の平均値であるということです。また英語・数学・国語は独自入試実施校を除く高校の平均値であるということです。右の〔表2〕は合格者平均点の一例として、旧横浜西部学区の2校を比較したものですが、各教科で約3ポイント、5科合計で約15ポイント差が出ています。高校ごとに平均点は異なるということは覚えておきましょう。

■表2 合格者平均点の一例 (旧横浜西部学区 希望ヶ丘と松陽)
  ※KKS神奈川県高校進学データサービス主催「神奈川全県模試」
  受験者の追跡調査結果に基づきます。

高校名 教科(各50点満点)
英語
数学
国語
理科
社会
5科合計
希望ヶ丘
47.4
47.3
47.5
47.4
43.7
233.2
松陽
44.0
43.9
45.9
44.3
40.6
218.8

次に、各教科の実施結果概要についてお伝えします。出題のねらい、設問ごとの正答率や県教委の見解については神奈川県教育委員会教育局高校教育課資料(≫「平成19年度 神奈川県公立高等学校入学者選抜学力検査の結果」) (≫「平成18年度結果」はこちら )をご参照ください。受験生のみなさんはそろそろ入試過去問題を解き始める時期。設問別の正答率などは、過去問題を解く際に自分の間違えた部分と照らし合わせる上で指標の一つになるでしょう。また、19年度共通問題について、中萬学院高校受験指導事業部の各教科長の見解と学習アドバイスを以下にまとめました。これからの学習の参考にしてください。

・・・英語・・・
ここ数年、英語の問題は易しくなる傾向にありましたが、今年度の問題からこの傾向にストップがかかりました。長文読解の語数などが増え、語順整序なども難しくなっています。ただし、内容は標準的で身近な問題であるので情報の整理を各自きちんとしながら英文をたどっていけば解答することは難しくありません。中1からの文法事項をもれなく理解し、文章を速く読む訓練が必要です。
・・・数学・・・
実は侮れないのが問2の小問。今年、正答率が50 %を下回ったのが ( ウ ) と ( オ ) の 2 問。今のうちから、「角度」「平方根の応用」「比例・反比例・1次関数」といった中学単元の基本問題の演習を始めて慣れていくことが大切。その他、重要単元では「三平方の定理」と「空間図形」が昨年同様、極端に正答率が低かった。 9 月以降の対策授業では、図形単元に最も多くの時間を割いて、しっかり準備していこう。
・・・国語・・・
文章量が、例えば小説文では4,000字超となり、正確で迅速な文章内容把握も求められています。問題自体は基本的なものが多く、小説文や古文なら、「設定(人物と人物関係)と展開(何がきっかけで何が変化した)」を、論説文なら、記述問題を含めて、主述や指示語・接続語など、「言葉のきまりに従って読むこと」をトレーニングすることで、高得点がとれるように作問されています。
・・・理科・・・
問5のイの正答率の低さは、問題文をよく読まなかった受験生が多かったことが原因と考えられます。 また、問8のエなど、与えられた条件をもとに解答を導く問題の正答率が低くなっています。知識の暗記だけでなく、長い問題文を読みこなす訓練を、過去問や他県入試などの総合問題で積んでおくことが重要といえます。
・・・社会・・・
分野別の平均正答率は、地理(問1)が44%、歴史(問2)が55%、公民(問3)が62%になっており、地理・歴史分野の出来ぐあいが全体を決めます。地理分野では時差や地形図の読み取りに関する問題、歴史分野では写真や時代順に並べ替える問題が、得点差のつきやすいところです。日頃から多くの問題に触れていきましょう。

■平成19年度独自問題実施校平均点
次に独自問題の実施校について見てみましょう。独自入試の実施は今回で3回目、19年度は湘南・柏陽・横須賀の3校が新たに加わりました。以前にもお伝えしていますが、独自入試と共通問題の大きな違いは「単語・語彙数」「文章量」「記述式の問題量」であるといえるでしょう。各校ともスピードと正確さ、論理的思考を試す内容で出題をしています。独自問題は各高校が学校の特色に合った生徒を集めるために、適性を測る内容で出題されます。また、求める生徒像、受検してくる生徒のレベルを考えて問題が作られますから、各校の特色があらわれてきます。独自問題はその高校から受験生へのメッセージであるとも言えるでしょう。教科別の平均点を比較すると、共通問題に比べて各校ばらつきがあるのはこういった理由が考えられます。

■表3 平成19年度 独自入試実施校合格者平均点

高校名
実施回数
実施教科(各50点満点)
英語 数学 国語
横浜翠嵐
3回目
35.2
25.9

41.4

平塚江南
3回目
36.7
39.1
36.8
小田原
2回目
32.6
37.0
38.0
湘南
1回目
44.6
42.2
31.9
柏陽
1回目
42.4
35.3
39.3
横須賀
1回目
44.6
32.5
37.4
鎌倉
2回目
39.0
35.9
  
外語短期大学付属
3回目
37.1
 
 

※各校ともに表記の教科以外は共通問題を使用。

■平成20年度選考基準発表
県教委は7月下旬、ホームページに「平成20年度入学者選抜 神奈川県公立高等学校選考基準」を発表しました。志望する高校の情報は各自でぜひ確認しておきましょう。後期選抜学力検査のおもなポイントについては資料にまとめましたので、参考にしてください。>>(資料①:平成20年度後期選抜 学力検査等重点化の内容-全日制普通科・一般コース-)(資料②:平成20年度後期選抜 学力検査等重点化の内容-全日制専門学科・20年開校の新校-)

■ 表4 : 平成20年度 後期選抜C値計算時の内申:入試比率に変更があった高校
旧学区 高校名
後期選抜 C値計算時の内申:入試比率
19年度
20年度
旧横浜北部 白山
4:6
5:5
旧川崎北部 生田東
6:4
5:5
旧鎌倉藤沢 大清水
5:5
4:6
旧鎌倉藤沢 藤沢
6:4
4:6
旧茅ヶ崎 茅ヶ崎
4:6
5:5
旧厚木海老名愛甲 厚木東
5:5
4:6
旧大和座間綾瀬 大和
5:5
4:6
旧大和座間綾瀬 座間
4:6
5:5
旧大和座間綾瀬 ひばりが丘

4:6

5:5
旧大和座間綾瀬 大和東
4:6
6:4
旧大和座間綾瀬 栗原
6:4
5:5
は入試割合のダウン、は入試割合のアップをあらわします。
■単元・分野別の弱点をしっかり見極めよう
夏休みもいよいよ終盤。受験生のみなさんは説明会やオープンスクールなどに参加し、志望校決定に向け、高校情報を集めていることでしょう。9/2(日)には合格判定模試「第1回神奈川全県模試」が実施されます。模試結果ではつい「合格判定」に目が行きがちです。志望校との距離や合格目標点を測るのは仮内申が出るもう少し先まで待ち、この時期はまず単元・分野別に自分の弱点をしっかり把握して、学習を積み重ねていきましょう。全県模試は自分の今の弱点や苦手分野を知る絶好の機会。しっかり活用しましょう。
 
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