入試最前線
2007年7月20日号
>>平成20年度 公立高校入学者選抜募集案内のポイント

神奈川県教育委員会は7月6日、平成20年度公立高校入学者選抜の募集案内を発表しました。今月の入試最前線は募集案内のポイントをまとめてお伝えします。なお、各高校の選考基準の公表は7月下旬に行われます。

★前期選抜募集比率に変動。後期選抜は引き続き学力重視型
まず前期選抜についてお伝えします。募集案内によると、20年度入試で前期選抜の募集比率を変更する高校は全部で12校あります。19年度は募集比率を下げる高校が多く見られましたが、20年度は比率を上げる高校が目立ちます。募集比率を変更する背景には各高校さまざまな理由があると思われます。たとえば比率を上げた鎌倉・柏陽・横浜翠嵐は前期選抜で内申数値以外の部分をこれまで以上に重視する選考を行おうとしています。とくに柏陽や横浜翠嵐はこれまで実施された4回の前期選抜合格者の内申ポイントがとても高く、本来の「自己推薦型」の前期選抜らしさが生かされないことも考慮していると推測できます。そこで、まず前期選抜の枠を広げ、さらに面接以外の検査の実施で、より多角的な選考を行うとみられます。前述の3校中、すでに横浜翠嵐は過去4年の前期選抜で自己表現活動を課していますが、20年度は鎌倉が自己表現活動を、柏陽は作文を初めて実施します。横浜翠嵐の変更の要因には、難関私立との併願者が後期選抜で多く抜けることを想定し、前期選抜で横浜翠嵐を第一志望とする生徒をしっかり確保したいという意向もあると思われます。一方、募集比率を下げた高校の中には七里ガ浜や横浜平沼があります。横浜平沼は19年度まで募集比率は50%でしたが、20年度は30%と大幅に下げています。県から「国際・英語教育重点推進校」の指定を受けたこともあり、後期選抜で確実に得点できる力を持った生徒を入学させたいという意向がうかがえます。七里ガ浜は「国語力向上重点推進校」の指定を受けています。全日制課程の前期選抜で面接以外の検査を実施するのは前述の柏陽を含め41校(※20年度開校の3校含む)です。面接以外の検査には作文、自己表現活動、実技がありますが、20年度は自己表現活動を新たに実施する高校が13校あります。 (添付>>20年度前期選抜で面接以外の検査を行う高校

■ 表1 : 平成20年度 前期選抜募集比率に変更のあった高校 (※単位は%)
増加
減少
高校名
19年度
20年度
高校名
19年度
20年度
鎌倉
20
30
七里ガ浜
40
30
永谷
20
40
生田
50
40
柏陽
20
30
舞岡
50
40
横浜翠嵐
20
30
横浜平沼
50
30
西湘(一般)
30
40
-
-
-
市立みなと総合
30
50
-
-
-
氷取沢
40
50
-
-
-
深沢
40
50
-
-
-

次に、後期選抜についてお伝えします。左の〔表2〕は全日制普通科112校について、後期選抜における内申:入試比率の採用状況をまとめたものです。もっとも多いのが入試得点を重視する4:6で、66校と約6割で採用しています。入れ替わりはあるものの、全体的な採用状況の割合は19年度とほぼ同じです。後期選抜は学力重視であるといえるでしょう。また、20年度独自入試を実施するのは小田原・鎌倉・光陵・湘南・多摩・柏陽・平塚江南・横須賀・横浜翠嵐・横浜南方面国際情報高校(※外語短大付属・六ッ川が統合)の全10校になります。 下記〔表3〕で全日制課程の前期選抜と後期選抜についてマトリックスにまとめましたのでご参照ください。マトリックスの左上が「最も学力を重視する」、右下が「最も内申を重視する」高校になります。

★県立高校改革後期計画が進行中。20年度4月には統合・改編で7校が新規開校
県立高校の再編統合または単独改編により、20年度4月新たに7校の全日制高校が開校します。20年度以降に開校する高校の情報は一覧にまとめましたのでご確認ください。国際、海洋科学などさまざまな分野の高校が開校しますね。現中3生が受検する20年度入試は新校第1期生募集にあたります。
神奈川県教育委員会は新たな取り組みとして中高一貫教育にも力を入れることを発表しています。21年度には大原と相模大野が中等教育学校として募集をスタートします。中高一貫教育校の種類には①中等教育学校②併設型の中学校・高等学校③連携型の中学校・高等学校の3種類があります。先ほど挙げた大原と相模原は①の中等教育学校にあたります。先日、横浜国立大学附属横浜中学校・光陵高校・横浜国立大学教育人間科学部による中・高・大連携による中等教育の実践計画が発表されましたが、これは③の連携型にあたります。3校の校舎はそのままに、教員相互の交流による教育展開、一部生徒の受け入れによる継続的な実践研究が行われます。中・高だけでなく大学まで連携した中等教育の実践は全国的に見ても珍しく、今後の展開に注目したいところです。

★志望校選択はさまざまな視点で
最後に20年度入試のスケジュールについて確認しておきましょう。表(>>20年度公立高校入学者選抜日程)にまとめましたのでご覧ください。前期選抜は平成20年1月28日、後期選抜は2月21日です。7月21日から前期選抜入試日までは191日、後期選抜までは215日となります。イメージや自分の内申だけでなく、各高校が持っている特色を知り、「その高校に入って何をするのか」また「3年後にどうなっていたいか」という視点を持ちながら高校選択をして欲しいと願います。7月以降も地区で、また高校単位で多くの学校説明会が開催されます。そういった機会も活用し、情報収集をしっかり行い、志望校選択に役立てましょう。

■表3<1> 20年度 公立高校全日制普通科・一般コース入学者選抜の傾向
後期選抜
内申:入試
前期選抜募集比率
20%
30%
40%
50%
4:6
湘南
横須賀
厚木・伊志田・鎌倉・
川和・希望ヶ丘・光陵・
相模大野・七里ガ浜・
柏陽・平塚江南・
横浜平沼・横浜緑ヶ丘・
横浜翠嵐
生田・市ヶ尾・追浜・
上郷・港南台・逗子・
西湘・多摩・鶴嶺・
秦野・舞岡
旭・足柄・厚木西・厚木東・有馬・伊勢原・磯子・荏田・
海老名・大磯・大清水・大原・釜利谷・上鶴間・上溝・
上溝南・川崎北・岸根・湘南台・松陽・城山・新城・住吉・
逗葉・相武台・津久井浜・新羽・二宮・橋本・秦野曽屋・
氷取沢・深沢・藤沢・藤沢西・大和・大和西・
横須賀大津・横浜立野・横浜南陵・吉田島農林(普通
5:5
  大船 永谷・茅ヶ崎北陵 麻生・厚木北・生田東・金井・霧が丘・栗原・港北・
相模原・座間・城郷・新栄・瀬谷・市立高津・高浜・
茅ヶ崎・鶴見・白山・ひばりが丘・山北・大和南・百合丘
6:4
      愛川・麻溝台・綾瀬・綾瀬西・大井・大楠・上矢部・
市立川崎(普通)・神田・五領ヶ台・相模田奈・寒川・
新磯・菅・瀬谷西・市立橘(普通)・田奈・茅ヶ崎西浜・
津久井・保土ヶ谷・元石川・大和東

■表3<2> 20年度 全日制普通科専門コース,専門学科,単位制普通科・総合学科・専門学科 入学者選抜の傾向
全日制の課程
前期選抜募集比率
20%
25%
30%
40%
50%
普通科
専門コース
        厚木北(スポーツ科学)・綾瀬西(福祉教養)・
有馬(外国語)・生田(自然科学)・
磯子(国際ビジネス)荏田体育)・釜利谷(体育)・
上矢部(美術陶芸)・五領ヶ台(外国語)・西湘(理数)
高浜(福祉教養)・津久井(社会福祉)・
白山(国際教養)(美術)・ひばりが丘(国際教養)・
山北(体育)・横浜南陵(健康福祉)
単位制 普通科
単位制総合学科
単位制専門学科
小田原 市立桜丘 市立戸塚
市立南
市立金沢 麻生総合・厚木清南・神奈川総合・
神奈川総合産業・川崎・川崎市立川崎総合科学・
相模原総合・大師・鶴見総合・市立東・藤沢総合・
三浦臨海・市立みなと総合・市立横須賀総合・
横浜桜陽・横浜旭陵・横浜清陵総合
専門学科
    市立横浜商業(国際)   相原・厚木商業・磯子工業・小田原城北工業・
神奈川工業・川崎市立川崎・川崎市立商業・
川崎工業・商工・川崎市立橘・中央農業・
市立鶴見工業・平塚工科・平塚商業・平塚農業・
藤沢工科・二俣川看護福祉・向の岡工業・
横須賀工業・市立横浜商業(商業)・
吉田島農林(農業)
20年度に
開校する高校
        横浜泉方面総合学科高校
横浜南方面国際情報高校
横須賀方面集合型専門高校
横須賀方面海洋科学技術高校
秦野方面総合学科高校
小田原方面総合ビジネス高校
相模原方面集合型専門高校
※ は20年度後期選抜で独自入試を実施する高校。
 
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