入試最前線
2007年3月20日号
平成19年度神奈川県公立高校入試総括

3/1(木)に後期選抜の合格発表が行われ、定時制や2次募集を除き、平成19年度の神奈川県公立高校入試がほぼ終了しました。今月は平成19年度の高校入試について振り返ってみましょう。

★選択幅の広がり、学力重視の高校入試
平成19年3月の公立中学校卒業予定者は昭和63年以来19年ぶりに増加しました。これを受けて神奈川県公立高校(全日制)の募集定員も増加され、全日制165校中およそ1/3にあたる47校で1学級(40名前後)以上の定員増加が行われました。なかでも旧18学区中半数の9学区のトップ校で定員増加がされたことは、19年度入試の注目点の一つといえるでしょう。1/25・1/26に実施された前期選抜と2/22の後期選抜の合計受検者は70,580名で、合格者数の合計は39,940名でした。前期・後期選抜を通した実質倍率にすると1.77倍でした。それでは、前期選抜・後期選抜それぞれについて見ていきましょう。

■前期選抜は引き続き敬遠傾向
前期選抜は16年度入試からすべての高校で実施され、今年で4回目の実施となりました。初年度の実質倍率は2.73倍でしたが、年々少しずつ下がって、19年度は2.29倍でした。前期選抜では筆記試験は実施されず、試験日には面接のみをおこなう高校がほとんどです。選考において重要になるのが調査書に記載された内申の数値で、多くの高校で合否を大きく左右します。実施から4年連続して競争率が下がっている背景には、募集定員の少ない前期選抜の受検を避け、後期選抜に備える生徒が年々増えていることがあげられるでしょう。下の〔表1〕は19年度前期選抜実質倍率上位10校です。最も高い倍率だったのは市立桜丘(4.83倍)で、次いで横浜翠嵐と川和(ともに4.38倍)と続きます。18年度は柏陽が5.74倍でトップでしたが、19年度は5.0倍を超える高校はありませんでした。倍率4.0倍以上の高校は5校、3.0倍以上の学校を含めると全部で33校(学科・コース含む)でした。
■表1 全日制一般募集 前期選抜倍率上位10校
※実質倍率について、18年度より上昇は字、減少は字であらわしています。
旧学区など
学校名
学科名
全体の
募集
定員
昨年比
前期
募集率
(%)
前期募集人員
志願者
受検者
受検倍率
合格者
実質倍率
18年度
実質倍率
旧横浜中部
市立桜丘
普通
277
-
25
69
333
333
4.83
69
4.83
3.72
旧横浜東部
横浜翠嵐
普通
276
-
20
55
243
241
4.38
55
4.38
4.62
旧横浜北部
川和
普通
316
40
30
94
429
416
4.43
95
4.38
4.07
国際
市立横浜商業
国際
35
-
30
10
43
43
4.30
10
4.30
2.40
工業
商工
機械
39
-
50
19
79
79
4.16
19
4.19
1.68
旧鎌倉藤沢
鎌倉
普通
277
40
20
55
210
210
3.82
55
3.82
4.15
工業
向の岡工業
機械
78
-
50
39
142
142
3.64
39
3.64
2.08
旧県西
小田原
普通
317
-
20
63
227
227
3.60
63
3.60
3.54
工業
市立鶴見工業
建築
39
-
50
19
67
67
3.53
19
3.53
1.58
旧横須賀三浦
岩戸
普通
78
-
50
39
137
137
3.51
39
3.51
2.31

■後期選抜は学力重視、競争激化
次に2/22に実施された後期選抜について見ていきましょう。後期選抜の19年度実質倍率は1.33倍でした。16年度以降、今の選抜方式になってから前期選抜の競争率は年々低下していますが、後期選抜は1.3倍台で安定しているといえます。〔表2〕は後期選抜受検者実数の多かった10校をまとめたものです。ここに登場する高校を見てみると、多くは旧学区トップ校であることがわかりますね。旧学区トップ校の多くは学力を重視する進学校であり、前期選抜の募集比率を下げ、学力検査を課す後期選抜に重点を置いています。このような高校に受験生が集まる理由の一つとして、受験生が将来を見据え大学進学まで視野に入れた志望校選びを行っていることがあげられます。19年度入試において、前・後期選抜ともに多くの受検者を集めた川和は、大学進学実績を評価された一例といえるでしょう。

■表2 全日制一般募集 後期選抜受検者数上位10校
旧学区など
学校名
学科名
全体の
募集
定員
昨年比
前期
募集率
(%)
後期募集人員
2/15の
志願者
受検者
受検倍率
合格者
実質倍率
旧横浜東部
横浜翠嵐
普通
276
-
20
221
570

427

1.93
229

1.86

旧横浜北部
川和
普通
316
40
30
222
405
375
1.69
226

1.66

旧横浜北部
市ヶ尾
普通
355
39
40
213
371
337
1.58
220
1.53
旧横浜南部
市立南
普通
317
-
30
222
340
336
1.51
222
1.51
旧県西
小田原
普通
317
-
20
254
319
316
1.24
260
1.22
旧横浜西部
希望ヶ丘
普通
318
41
30
226
312
303
1.34
228
1.33
旧鎌倉藤沢
湘南
普通
318
1
20
255
342
300
1.18
259
1.16
旧横浜南部
柏陽
普通
277
40
20
222
314
296
1.33
228
1.30
旧平塚
平塚江南
普通
317
40
30
222
302
295
1.33
222
1.33
旧横浜北部
田奈
普通
237
3
50
119
295
286
2.40
119
2.40
19年度の独自入試実施校は8校、今年度実施初年度の高校は湘南・柏陽・横須賀の3校です。独自入試の実施は旧学区トップ校18校のうちおよそ半数を占め、進学校が入試重視の傾向にあることはここでもいえます。導入から今年で実施4年目を迎えた横浜翠嵐は2年連続で全日制165校中唯一400名を超える受検者を集めました。2/15時点の志願者数は570名で、当日の欠席者は143名と他のトップ校と比較しても圧倒的な人数でした。横浜翠嵐を志望する受験生の中には学芸大学附属や慶應義塾などの難関国私立を受験する生徒も多く、同じ土俵で勝負し、合格するためにはより高い学力が求められることになります。独自入試は来年度からはさらに2校、光陵・多摩も加わって計10校となります。独自入試は特別なものではなく、旧学区トップ校を第一志望とする中学生の学力到達目標の一つとして今後も重要な位置を占めることになるでしょう。19年度に実施された各高校の独自入試問題については次回の入試最前線であらためてお伝えします。
★目標を持って新学年を迎えよう
中学校では春休み明けからいよいよ進級、新学期です。学習内容も変わり、学校行事や部活動などでますます忙しい毎日になるでしょう。みなさんの新学年の目標は何ですか?中萬学院では3月から新学期授業が始まっています。学習面では一足先に新学年・新学期に向けた基礎固めをしっかりしておきましょう。中萬学院ではみなさんが最高のスタートを切れるよう、応援していきます。
 
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