入試最前線
2008年12月4日号
>> 2009年度大学入試展望
1/17(土)・18(日)のセンター試験まであと50日を切りました。今回は2008年度入試をあらためて振り返りつつ、夏から秋にかけて発表された情報をもとに2009年度入試について展望してみます。
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★2009年度国公立大学の入試動向
センター試験現役生志願率の推移11/28(金)大学入試センターは2009年度センター試験の確定志願者数を発表しました。総志願者数は543,979名で対前年度594名の増加となります。高等学校等新規卒業者(現役生)のセンター試験志願率は40%を超え、10年前のおよそ1.3倍となっています。総志願者の内訳は高等学校等新規卒業者(現役生)431,261名、高等学校卒業者等(既卒生等)112,718名となっています。現役生の占有率は79.3%に上昇、既卒生等の占有率は20.7%に下がりました。

2009年度国公立大学の募集定員および入学者選抜概要については、文部科学省より8月に発表されています。募集定員総数は121,965名(国立96,020名、公立25,945名)と前年度より775名増えています。国公立大学ではセンター試験(1次試験)と個別試験(2次試験)の総合評価で選抜が行われます。1次試験であるセンター試験の必須受験教科については、国公立とも「5教科」とする大学・学部が昨年度同様、もっとも多くなっています。特に国立大学では「5教科7科目以上」を必要とする大学が全体の95.1%となっています(公立大学は全体の43.2%)。

国公立大学の入学者選抜方式について、昨年度は後期日程の縮小・廃止の動きが多くの大学で見られました。2009年度も同様で、国公立後期日程の募集定員は20,273名と前年度より503名減少しており、厳しい競争が予想されます。2009年度後期日程募集枠を縮小するおもな大学は以下のとおりです。東北(文)、一橋(商)、金沢(医薬保健-医)、京都(医-人間健康科学)、大阪(理-生物科学)、九州(教育/医-保健)、長崎(医-医)。すでに2010年度入試より縮小・廃止が決定している大学もあり、この動きは来年度以降も続くと見られます。後期日程に変わり、ここ数年募集枠が拡大している選抜方法が推薦入試とAO(アドミッション・オフィス)入試です。 2009年度推薦入試は145大学408学部、AO入試は64大学164学部で実施され、ともに過去10年間で最高の実施率となります。特にAO入試の募集枠の拡大が目立ちます。2009年度新たに実施するおもな大学(学部)は東北(文)、千葉(理/工/園芸)、金沢(医薬保健学域)などです。来年度以降も拡大が予想されるAO入試ですが、一方で実施そのものを取り止める大学が出てきています。AO入試は学力試験を課さないことが多く、合格者の入学後の学力不足などが問題となっているためです。2009年度は一橋(商)、筑波(社会・国際学郡-国際総合学類)、2010年度には九州(法)で廃止が決定しています。今後は実施大学においてもセンター試験受験の必須化、また廃止を含めた見直しを行う大学がさらに増える可能性があり、動向に注意が必要です。

★2009年度私立大学の入試動向
私立大学入学定員充足率の推移ここからは私立大学についてお伝えします。ここ数年の私立大学入試は、都市部にある一部の難関大学を中心に人気が集中、難度が高まる傾向にあります。一方で、定員割れを起こす大学も増えており、「二極化」現象が顕著となっています。7月末の日本私立学校振興・共済事業団の発表によると、2008年度は全国565校の私立大学のうち入学定員充足率が100%を下回る、いわゆる定員割れとなった大学は過去最高の47.1%に達したことがわかりました。この二極化傾向は2009年度入試でも続くとみられます。一部の大学に人気が集中する背景には、難関大学のセンター試験利用入試の導入、入試改革、学部新設や改組といった取り組みの成果があります。2009年度センター試験利用入試は476大学1,308学部、私立大学全体の80%以上で実施されます。センター試験の得点のみで合否が決まるもの、また大学での試験の成績を合計して合否判定を行う「センター併用方式」などもあり、センター試験は国公立第一志望の受験生だけでなく、私立大専願の受験生にとっても核となる重要な試験となっています。入試改革の例には「地方試験(大学所在地と異なる地方に試験会場を設けて入試を実施する)」や「全学部統一日程試験(学部ごとに別日程で行われていた入試を全学部1日で行う)」の実施といった一般入試の選抜方法が挙げられます。ここ数年、明治や立教などの難関大などでも実施されるようになり、受験生にとっては受験機会が増える、また受験料などの負担減にもつながるため人気を集めています。学部新設や改組について、2009年度の大きな動きとして挙げられるのが早稲田大学社会学部の昼夜開講制の廃止です。一般的に昼間部への移行は志願者増の要因となりやすく、さらに早稲田大の他学部との併願にも影響を与えることが予想されます。また、青山学院は文学部第二部の教育学科の募集を停止し、教育人間科学部を新設する学部改編を行います。これにより、文学部教育学科と同心理学科がそれぞれ独立した学部となります。全体の募集定員枠は2008年度よりも縮小されるため、高い競争率となる可能性があります。

★厳しい経済状況が受験生の志願動向に影響
毎年、大学入試では社会環境の変化やセンター試験の平均点がその年度の志望動向や受験状況に大きく影響します。とくに今年は下半期経済の急激な悪化を受け、国公立大学を第一志望とする受験生が昨年度より増えることが予想されます。このほか、現時点で想定できる事態として「センター試験平均点下降の可能性」が挙げられます。昨年度はセンター試験平均点が上昇しており、その揺り戻しが考えられるためです。これまではセンター試験の平均点が下降すると、国公立大学志願者は強気な出願に対して慎重になる、また複数の私立大学を併願する傾向がありました。2009年度入試では経済状況の悪化を受け、「私立併願校数を減らす」といった動きも予想されます。私立大学は国公立大学志願者の動きに入試状況が大きく左右されるため、2009年度センター試験平均点が下降した場合は国公立・難関私立大学ともに昨年度よりも厳しい入試となることが考えられます。

*記事内容は、東進進学情報を一部参考にまとめています。

 
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