入試最前線
2007年4月20日号


2007年度大学入試を振り返る
3月下旬に国公立大学の後期試験合格発表が行われ、1月のセンター試験から始まった長期間にわたる大学入試が終了しました。今回は2007年度の大学入試の総括をお伝えします。

■センター試験受験者は微増、試験問題は06年度よりも難化
まずセンター試験について振り返ってみましょう。2007年度のセンター試験は、1/20(土)と21(日)に実施されました。国公私立合わせた実施大学は608大学(国公立157、私立451)、受験者は511,272名でした。少子化により大学全入時代を迎えたといわれていますが、3年連続で減り続けていた受験者は06年度よりもわずかながら増えました。センター試験志願者数に占める現役高校生の割合は78.5%でした。試験問題は全体的に難化が進み、多くの教科科目で06年度よりも平均点が下がりました。特に国語は昨年から出題傾向が変わったことが影響し、大きく下がったほか、数学・理科の主要科目でも昨年度を下回る科目が多くあり、理系には厳しい結果であったといえるでしょう。

■難関大に人気が集中、文高理低の入試
文部科学省の発表によると、07年度の国公立大学の志願者数は488,527名、確定志願倍率は4.8倍でした。06年度と比べた増減率は96.7%と、やや減少しています。一方私立大学は少子化の逆風にも関わらず難関大を中心に志願者が昨年度より増加しました。国公立敬遠のおもな理由としてはセンター試験の難化、また後期日程を廃止する大学が増加していることなどが考えられます。また、景気が回復基調にあることで私立大を志望する生徒が増えたことも影響しているでしょう。学部系統別にみると、理系では国公立私立ともにここ数年人気低迷が続いていた理工系で志願者が06年度を上回り、人気が回復傾向です。安定した人気を維持していた医療系は、理学療法学などの分野で志願者が減少しました。文系では政治・政策系、また法学を中心に人気が集まりました。教員養成系は国公立私立ともに昨年度よりも志願者が減少しました。就職をとりまく環境の好転や諸制度の変更なども一因として考えられます。

★国公立大学学部系統別志願者数増減(※大学入試センター発表)
学部系統
2006年度
2007年度
増減率
人文・社会
151,158
147,940
97.9%
理工
143,363
146,056
101.9%
農・水産
28,899
26,440
91.5%
医・歯
52,239
49,350
94.5%
薬・看護
24,234
22,761
93.9%
教員養成
52,507
46,814
89.2%
その他
52,970
49,166
92.8%
合計
505,370
488,527
96.7%

全体的にみると、07年度は文高理低の入試であったといえるでしょう。系統人気は社会情勢と密接に関わっていることは以前にもお伝えしましたが、07年度の大学入試動向にもあらわれています。景気の回復や就職状況の好転が教員養成や医療系などの実学志向の減少に結びついたともみられ、高校生の進路選びに影響を与えていることがわかりますね。
大学選択の面では昨年度同様、受験生のチャレンジ志向が続き、国公立・私立ともに難関大に志願者が集中しました。特に国公立では旧帝大など、私立大学では早稲田や慶應義塾など最難関大で志願者増加が目立ちました。一方で入試難易度がそれほど高くない大学の学部・学科では志願者が減少しており、今年度も人気の二極化が進行しているといえるでしょう。
大学入試制度の面でも改革が進んでいて「受験生の負担の軽減」、「受験機会の増加」、「推薦・AO入試の導入」の3つがここ数年の主流になっています。受験機会の増加の一例として、全学部統一日程方式(複数学部に一度に出願でき、全学部を同日に受験する)、地方入試(大学の所在地以外の都市に試験会場を設けて入試を行う)、試験日自由選択制(同じ大学・学部・学科が複数の試験日程を設け、受験スケジュールに合わせて受験生が受験日を選択できる)などが挙げられます。今年度、明治大や法政大では全学部統一日程方式と地方入試を組み合わせた新制度を導入しました。全国主要都市で全学部共通の問題を使用して同日に試験を行い、明治大では06年度より15,000人以上多い、10万人を超える志願者を集めました。

■早期の志望校決定と対策が難関大現役合格のカギ
多くの入試変更点がみられた07年度大学入試。一般入試以外にもAO入試や推薦入試があり、実施枠を広げる大学が増加しています。個別の大学リサーチや中学・高校入試と比べて複雑な受験の仕組みを理解するなど、高1・2生から入試に向けて早期に取り組むことが大切です。また入試難易の二極化は定着し、難関大合格者の多くは早期の志望校決定と受験対策で確実な合格を手にしています。学習面においても基礎基本を大切にしながら、受験を意識して進めていくことが志望校合格の第一歩となるでしょう。

 
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