入試最前線

2009年10月20日号

≫ 1月入試の利用法

2月の中学入試まで残すところ3ヶ月強。学校行事も忙しい中、中学入試は各学校での説明会も進み、過去問題演習が始まり、さらに各種模試での合格判定が出るなど、本番近しを思わせる時期となりましたが、お子さまの状況はいかがでしょうか。「夏期講習であんなにがんばったのに点数が上がらない」「過去問題演習で合格点に届かない」…これらはこの時期に多くの受験生・保護者から寄せられる悩みです。昨年もこのような悩みをはねのけて最終的には98.9%の受験生が合格証を手にしました。あと100日を切ってからが勝負であり、まだまだ「合格力」をつけられる時期であるといえます。今年は新型インフルエンザが流行し、厳冬の中学入試の時期には例年の季節性インフルエンザや風邪に加え、新型インフルエンザに対する防御と「体調管理」が入試を乗り切るためのポイントとなります。前哨戦となる1月入試も2010年度においてはインフルエンザ等に対して万全の対策をしての挑戦が必要になります。今月は、2009年も多くの受験生が挑戦した「1月入試」とはどのようなものかを見てみることにします。

■ 1月入試とは
2月1日に解禁日を迎える神奈川・東京の中学入試。教育内容の充実や少しでもわが子に合った学校を探して、よりよい教育を受けさせようという保護者の思いから中学受験者の数は増え続け、その数は神奈川・東京の両都県で42,000名程度(公立中等教育学校のみの受検生を除く)と推察され、この中で合格を勝ち取らなければなりません。その解禁日よりも前に入試を行う学校があります。以下がその一例です。

①12月・1月に一部の学校で行われる帰国生入試
②埼玉県(1月10日解禁)・千葉県(1月20日解禁)の一般入試
③地方校の東京入試・県外入試

①は帰国生の資格を持った受験生のみに門戸を開いた入試ですが、②③は「小学校卒業見込み」という状況であれば誰でも受験できるものです。②については、埼玉県・千葉県の受験生であれば本命として受験する者も多くいますが、②③の入試を東京・神奈川の受験生が2月の本番に先がけて「ためし受験」のような形で受験するものをここでは「1月入試」と呼ぶことにします。

■ 1月入試の利用法
1月入試は、単に「ためし受験」として利用するだけでなく、目的を持って受験することにより、大きな効果を生むことになります。1月入試の利用法を以下にあげておきます。

①模擬試験とは違う「受験」という機会を利用して、1月のうちにライバルとの初顔合わせを行い、さらに合否が決まるという緊張感を味わう。
②入試得点・順位等を受験生に公表してくれる学校(土佐塾・西大和学園・如水館等)もあるので、その入試結果をもとに、2月の入試に向けての学習指針をたてる。
③さまざまなレベルの学校が入試を行うので、挑戦校・実力相応校など、1月の時点から段差をつけて2校以上受験する。

他にも利用の仕方はさまざまですが、初めて味わう「合格」「不合格」の経験は予想以上に2月の本番に向け、刺激になるものです。

■ 1月入試の出願者数
1月入試(地方校の東京入試)は、1992年に土佐塾中(高知県)が開始し、他にも千葉県の一部の学校の入試が東京で行われるなど、当時から多くの受験者を集めていましたが、その頃は不合格者も極めて少なく、「1月中に合格の経験をして、その合格証をお守りに持って、2月の受験会場に向かう」という色の濃いものでした。現在は、多くの特徴を持った学校が試験を行っており、2月からの受験パターンに応じて1月受験にも選択肢が広がったと言えます。2009年の1月に多くの受験生を集めた学校は〔表1〕のとおりです。

■〔表1〕 1月入試で多くの受験生を集めた学校(※入試日は2009年度の試験日程)
性別
学校名
区分
所在地
入試日程
試験会場
応募者数
2009年 2008年 2007年
那須高原海城 一般・1月 栃木県那須郡
1/11
海城中学他
902
1,140
1,292
函館ラ・サール 東京会場・前期 北海道函館市
1/10
TOC有明
766
814
752
西大和学園 東京会場 奈良県大和町
1/12
早稲田大学
474
537
520
函館白百合学園 首都圏前期 北海道函館市
1/18
市川グランドホテル
311
344
334
秀光中等教育 1次・東京選抜 宮城県多賀城市
1/12
慶應義塾大学
567
258
349
佐久長聖 東京入試 長野県佐久市
1/12
新高輪プリンスホテル他
872
1,303
1,055
如水館 東京会場 広島県三原市
1/11
慶應義塾大学
183
-
-
長崎日本大学 東京・神奈川1回 長崎県諫早市
1/11
日本大学キャンパス他
1,850
1,652
1,136
土佐塾 東京会場・前期 高知県高知市
1/11
早稲田大学
2,835
2,763
2,987

1月入試は現在では受験者も増え、CG啓明館でも数多くの生徒が、何らかの形で1月に入試を経験していることになります。2010年度入試でも、上記の学校も含め、数多くの学校で1月入試が行われます。

■〔表2〕 2010年度の1月入試
性別
学校名
区分
入試日程
科目
会場
那須高原海城 一般・1月
1/10
4科
海城中学(新宿)他
特待生
1/24
4科
海城中学(新宿)
函館ラ・サール 東京会場・前期
1/9
4科または国算理
TOC有明
西大和学園 県外入試・東京
1/11
4科
早稲田大学
函館白百合学園 首都圏前期
1/17
4科
市川グランドホテル
愛光 東京会場
1/9
4科または国算理
TKP代々木ビジネスセンター
佐久長聖 東京会場
1/11
4科
グランドプリンスホテル新高輪(品川)
工学院大学新宿キャンパス
秀光中等教育 東京選抜

1/11

4科
青山学院大学青山キャンパス
如水館 東京会場
1/10
2科4科選択
工学院大学新宿キャンパス
長崎日本大学 東京・神奈川1回
1/10
2科4科選択
日本大学生物資源科学部(六会日大前)他
土佐塾 東京会場前期
1/10
4科
早稲田大学
早稲田佐賀 一般入試
1/24
4科
早稲田大学所沢キャンパス
早稲田摂陵 全国型入試
1/18
4科または国算理
早稲田大学所沢キャンパス


上記のように、2010年も1月9日より1月入試が行われます。今年は愛媛県の進学校である愛光(愛媛県松山市)をはじめ、早稲田大学の系属校の早稲田摂陵(大阪府茨木市)、早稲田佐賀(佐賀県唐津市)も新規に関東地方で入試を行います。さらに選択肢が増え、1月の段階から多様な入試を経験することができます。

■ 単に合否だけでなく
1月入試が今まで受験してきた模擬試験と大きく異なる点は、○(合格)か×(不合格)がはっきりと決められるというところです。2月1日から始まる受験まで10日~20日程度あるわけですから、その結果を真摯に受け止めることによって、さらに学力をつけ、2月にすばらしい結果を生み出すこともできるわけです。

「塾の算数の先生が土佐塾の入試問題の解説会をしてくれた。試験を受けたときは単に難しかったとしか思わなかったが、解説を聞いてとてもいい問題を経験できたということがわかり、まずは1月受験の問題を復習して、さらに第1志望校の過去問を問題を覚えてしまうぐらいまで解きまくった」
「土佐塾の試験(早稲田大学)を受けて、受験生の多さにびっくりした。合格最低点で合格して『ヤッター!ラッキー!』とはしゃいでいたところ、塾の先生に『そんなことで浮かれているなら、もう1点足りなくて不合格になったほうが刺激があったはずだ』と怒られて、身が引き締まった」
「1月受験は1勝1敗。合格のときよりも不合格のときにいろいろとアドバイスをくれた。1月中に合格・不合格とも経験できて、受験の厳しさを知った」
「1月受験でとなりの席にいた子が2月の本命校の試験のときに同じ教室にいた。その受験生の真剣な眼差しを見て、私もやるぞ!という気持ちが高まった。」

CG啓明館でも1月入試の好結果から2月にも第1志望に合格した生徒もいれば、思い通りではない結果を前向きにとらえて2月に好結果を得た生徒などその効果はさまざまです。また、入試の第1ラウンドが約3週間早まれば、入試に向けての学力の仕上げを自ずと早めなければならなくなり、学習効果も期待される1月入試。冒頭にも記したとおり、今年はインフルエンザの影響で、ワクチン接種などの万全の対策や受験そのものに関してもご家庭の慎重な判断が必要となりますが、CG啓明館では、過去の経験をもとにして、1月入試の結果によるフォローもお約束いたします。

文責 CG啓明館事業部情報チーム 松村 淳

 
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