入試最前線

2009年8月20日号

≫ 2010年度中学入試予測

夏期講習も後半になって、2月の中学入試まで半年を切りました。2009年度の中学受験は、不況により受験者数にも影響が出てくるかと思われましたが、CG啓明館はじめ各社の集計では、受験者数は前年並みか若干増加という結果になりました。県内では日本大学藤沢の新規開校や県立中等教育学校2校の開校などがあり、中学受験に関する環境は毎年のように変化しています。そして、2010年度入試においても「より意欲を持った受験生により多くのチャンスを与える」という視点で多くの学校で入試要項変更が行われたり、中央大学横浜山手(現・横浜山手女子)のように、新たな形で出発する学校があります。例年以上に新聞・雑誌等の報道にも取り上げられ、注目度が増していく中学受験。進路の多様化にあわせ、受験する側としての選択肢も多くなってきました。今回はこれまでに発表されている中学入試の情報をまとめ、2010年度入試の展望を見ていくことにします。

■ サンデーショックはもとに戻る
2009年度は「サンデーショック」の年でした。これはキリスト教、特にプロテスタント系の学校において、日曜日(特に2月1日)が入試日にあたる場合、入試日を移動させることを言います。これらの学校が入試日を移動させるのと同時に、競合校も入試日を移動させるために受験者数や入試難度にも影響を与えるものです。

〔表1〕 県内でサンデーショックに関連して入試日を移動した学校(2月1日・2日)
 中学校名
入試日
2008年度
2009年度(サンデーショック)
2010年度
 フェリス女学院
2/1
2/2
2/1
 横浜共立学園A
2/1
2/2
2/1
 横浜雙葉
2/1
2/2
2/1
 清泉女学院①
2/1
2/2
2/1
 湘南白百合学園
2/2
2/1
2/2
 鎌倉女学院①
2/2
2/1
2/2
 横浜英和女学院A
2/1
2/1午後
2/1午後
 関東学院A
2/1
2/2
2/2


〔表1〕にあるように、横浜英和女学院Aと関東学院A以外はもとの日程に戻ります。横浜英和女学院は、第1志望の受験生にも配慮しつつ、多くの受験生にチャンスを与えるための据え置き、関東学院は2009年度の入試日変更の際に今後しばらくは2月1日の入試を行わない旨、発表していました。それ以外の学校に関しては、サンデーショックの年は競合する学校との影響から2月2日に移動する学校で例年受験生が増え(例・フェリス女学院 456名→522名)、2月1日に移動する学校は受験生が減る(例・鎌倉女学院① 657名→499名)と言われていますが、2009年度もそのとおりの動向を示しており、2010年度入試においてはサンデーショック以前の2008年度と同程度の受験生を集めることになるでしょう。

■ 神奈川県内の日程・要項変更もさまざま
例年、試験日の移動、試験日の増設、試験科目の変更、定員の変更、…と神奈川県内でも多くの学校が要項変更を行いますが、2010年度入試についてもさまざまな変更が行われます。受けやすさを考えたものをはじめ、試験科目を4科目にすることなどによって入口段階で意欲のある生徒を確保したいなど、それぞれの学校の思惑がうかがえます。

〔表2〕 神奈川県内のおもな入試要項変更(8月14日現在) ※〔表1〕の変更を除く
 学校名  変更の内容
 武相  試験回数を5回 → 4回。最終回の試験を2/7 → 2/5に。
 横浜  2月2日午後に試験を新設。最終回の試験を2/7 → 2/5に。
 カリタス女子  試験回数を3回 → 2回。2/1・3・6を2/1・4に。
 北鎌倉女子学園  2/1・2の午前の日程を2科目 → 2科4科選択に
 相模女子大学  第4回を2/5 → 2/3午後に
 聖セシリア女子  2次を2/2午後に
 捜真女学校  B試験を2科4科選択 → 4科目に
 中央大学横浜山手  学校名を横浜山手女子から変更。全日程2科4科選択→4科目に
 聖園女学院  試験回数を4回 → 3回に
 横浜富士見丘学園  第4回を2/6 → 2/5に
 公文国際学園  一般入試を1回入試化。2/4に実施。
 鶴見大学附属  総合入試を難関進学3次に変更し、入試日を2/5 → 2/4に
 桐蔭学園  中等教育学校(男子)および理数コース(女子)で特別奨学生選抜(2/2)実施
 桐光学園  第3回の試験を2/5 → 2/4に
 山手学院  B日程を2/2午後に。C日程を2/4 → 2/3に
 横須賀学院  試験回数を5回 → 4回。2/2の日程を廃止
 横浜隼人  試験回数を6回 → 5回
 神奈川県立相模原中等教育  筆記を2/1 → 2/3、グループ活動を2/7 → 2/6に
 神奈川県立平塚中等教育  筆記を2/1 → 2/3、グループ活動を2/7 →2/6に


数年前まで多くあった「受験科目4科目」への変更は、もうすでに多くの学校で済ませてしまった感があり、〔表2〕の中でも数えるほどになってしまいました。2010年度入試要項の変更の中で目立ってきているものは、武相・横浜・カリタス女子・横浜富士見丘学園・鶴見大学附属・桐光学園などに見られる「最終回の試験の前倒し」です。以前は、2月の寒い中の試験で、緊張や風邪など学力以外の要因で前半の日程で思うような結果を残すことができなかった受験生に最後のチャンスを与えるという意味で始められたのが2月6日や2月7日の入試でした。しかし、その後午後入試が多く行われるようになり、2月1日から2月3日の前半戦でも最大6校に挑戦できるようになったり、早めに進学校を決めて、中学生に向けて気持ちを切り替えたいという考えのご家庭が増えてきており、受験生側のニーズと学校側の早めに入学者を確定させて1日も早く新入生の受け入れ準備を開始したい、という思惑が一致しての改革と思われます。

■ 受験率はほぼ横ばい?
中学受験率はまだ10%台後半。とはいえ、義務教育である中学校を選択するにあたって、小学校6年生の5~6人に1人が意欲を持って中学入試に挑戦しているわけです。2009年度、神奈川県でも「平塚中等教育学校」「相模原中等教育学校」の2校の県立中高一貫校が開校され、私立・公立で「何らかの受験をする小学校6年生の数」は大幅に増加しました。私立中学のみの受験者数はどうかというと、横ばい~若干増加したといわれています。2010年の1都3県の小学校卒業生数は2009年とほぼ変わらない301,000人。各学校とも総定員はさほど変化していないことから2009年度と同様な激戦となることも考えられます。

7月の現時点での3大模試の数字では、昨年より減少ということにはなっていますが、気を抜くことは禁物です。以前は中学受験者数が1都3県の私立中学の定員より少なく、「選ばなければ全員が私立に入学できる」という時代がありましたが、2003年あたりから両者が逆転し始め、現状では「全員が私立に入学」とはならない状況です。
こうした激戦の中で迎える中学入試ですが、多くの志願者を集める背景には、「私学のすばらしさ」があります。各学校とも2学期にまだまだ数多くの説明会やオープンキャンパス等の学校を知ってもらうための行事を実施します。
〔表3〕 7月の3大模試受験者数比較
※3大模試:センター模試・四谷大塚模試・首都圏模試
 
受験者数
前年比
2009年
41,562
-5.0%
2008年
43,736
+0.7%
2007年
43,454
+0.0%
2006年
43,436
+6.9%
2005年
40,643
2000年
32,961

本命校の研究のみならず、いわゆる「押さえ」として準備する学校の研究もおこない、万全の状態で1月の出願期、2月の本番を迎える必要があるでしょう。CG啓明館では初実施の自修館中等教育を加え、例年どおり27校の主催説明会を9月から11月にかけて行いますので、志望校選択の一助としてください。

CG啓明館では、現在真っ最中の夏期講習や通常授業での学力指導はもちろん、学ぶための意欲・関心・興味付けにも注目して数多くのイベントやキャンペーンを実施しています。また、あいさつや手洗いの励行など、受験を通した人間形成をはかるべく生活力にも注目した指導を心がけています。先日の小6夏期合宿特訓(於:箱根高原ホテル 8月5日~8日)では、約500名の小6生が一堂に会し、3泊4日の勉強合宿を一人の脱落者もなく終了することができました。そこで見たものは、授業中の真剣さ・集中度ばかりでなく、終盤に差し掛かってくるにしたがって自主的に学習する姿や、最後まで元気に学習する姿でした。「元気に学習する」…一言で言えば簡単なことかもしれませんが、小6生たちが自らの目標に向かって学習する必死な姿勢は圧巻でした。2月1日まで170日程度となりましたが、得点力にこだわって指導してまいります。「絶対に合格します!」合宿最終日に参加者全員で言った言葉です。この言葉を全員が「有言実行」できるよう、生徒・保護者・CG啓明館講師一丸となってがんばっていきましょう!

文責 CG啓明館事業部情報チーム 松村 淳



 
閉じる     中萬学院TOPへ≫