入試最前線
2009年2月17日号
≫ 神奈川初の公立中高一貫校入試を振り返る

今春開校の平塚・相模原中等教育学校の平均倍率は11.32倍。予想通りの高倍率となりました。中萬学院グループからは在籍生そして特別対策講座受講生あわせて24名が合格しました。今回の成果を踏まえ4月中旬に説明会を開催予定です。詳細は説明会でお伝えすることとし「入試最前線」では、適性検査そしてグループ活動に焦点をあて、激戦となった公立中高一貫校入試を振り返ります。

■ 9割は当日の「出来」

合格者の選考は調査結果と調査書の合計点数をグラフにある割合にして決定されます。調査書は1割ですから、検査当日の「出来」が合否に大きな影響を与えます。その適性検査とグループ活動について見ていきましょう。

独特の出題と「情報処理能力」
筆記試験にあたる「適性検査」はⅠとⅡにわかれ、それぞれ45分の試験時間です。2種類の筆記を課す場合、他県等では一方で400字程度の記述問題が出題されるなど内容が異なりますが、神奈川県では作文が別途課せられることもあり2種類とも出題に大きな違いは見られません。それでは解答のプロセスにしたがって見ていきます。

まずはインプット、すなわち「何を問われているのか」を問題文から読み取ります。問題量は適性検査Ⅰが8ページ、Ⅱが10ページにわたり、大設問4題・小設問が10から11問というボリュームです。まず受験生はこの膨大な情報量をすばやく的確に読み取り、何を答えればよいか理解する力が必要です。これは私立中学入試でも当てはまりますね。違いは、グラフや資料、図がふんだんに使われた独特の出題という点です。これには「慣れ」が必要です。

次に答えを導くための「思考」と「試行」、すなわちアタマの中で考えたり紙の上で作業したりして答えを導くプロセスです。適性検査と中学・高校入試問題との最大の違いはここにあります。中学・高校入試問題では「知らないと解けない」問題です。多くの知識や解法を正確に覚えておく必要があるのに対し、適性検査は知識の多寡が正答率に影響しないような配慮も見られます。ユニバーサルデザインの説明を読み、身の回りのものでユニバーサルデザインを採り入れたら良いと思うものを挙げてその工夫を答える、などはその良い例ですね。ただし、計算を伴う思考・試行では十分な計算力や数字の意味を理解し論理的に思考する力が必要です。

最後にアウトプット、すなわち答案用紙に答えを書きます。短文記述であったり数字や記号を書いたり図に書き込んだりとバラエティに富むのが特徴ですが、記述であれば条件を満たして主述の整った文にする程度の基礎的な力があれば対応できます。(言い換えれば条件を満たして正しい文を書く力は必要だということですが)
≫ 2/4の朝日新聞に中萬学院の講評が掲載されていますのでご参照ください。
http://mytown.asahi.com/kanagawa/news.php?k_id=15000230902040002

実施例の少ない「グループ活動」
神奈川県公立高校入試では神奈川総合高校の前期選抜で「グループ活動」が「その他の検査」として課せられていますが、中高一貫校での実施例は全国的に少ないようです。それだけに神奈川県の意気込みが感じられる検査と言えます。この活動では「状況分析・自己分析・自己表現力」と「他者理解・他者協調・意欲的な態度」が評価の観点として挙げられています。活動を通して「自分の意見を的確にまとめて他者へ伝え、他者と協力しながら課題解決に取り組む力」が見られ、そして提出するレポートでの自己分析と表現力が見られていると言えます。実際には次のように行われました。

8人程度のグループに分かれ、まず課題について自分の意見を10分でまとめます。課題は小学校に入学した1年生に対して学校案内をする際に説明する必要のある場所を決める、など身近なテーマでした。次に1分ずつ自分の意見を発表した後4人程度の班に分かれ、説明の練習まで行います。最後の5分で「活動の振り返り」にそれぞれ記入し終了です。実は中萬学院で実施した模擬グループ活動でも8人のグループでは「参加」できない生徒が生まれていました。ですから、4人程度の班に分かれての活動は配慮された適切なものだったと考えます。「グループ活動」は選考資料の2割を占めるので受験生・保護者の方の関心も高かった検査でしたが、より具体的な評価の方法や成果、課題など、次年度に向けた発表が待たれます。
≫ 2/11の朝日新聞にグループ活動に関する中萬学院の講評が掲載されていますのでご参照ください。
http://mytown.asahi.com/kanagawa/news.php?k_id=15000230902120004

公立中高一貫校の今後は

来年度について今最も関心が集まっているのは検査実施日です。今年は「小学校授業に影響を与えないため」に2/1(日)と2/7(土)に検査が、2/11(祝)に発表が行われました。その考えに基づけば来年は2/6(土)と2/7(日)、再来年は2/5(土)と2/6(日)が検査日となります。いずれも中学入試日程とずれるため受験者層の変化が予想されます。一方で東京都の2/3実施のように検査日を固定し、2/1日実施としていくことも考えられます。発表が待たれるところです。

ごろ横浜市教育委員会は2012年4月に公立中高一貫校を開校すると発表しました。新小学4年生が1期生となります。県と同じ中等教育学校なのか千葉県立千葉中学のような併設型なのか、など今年の6月に概要が明らかになります。公立中学進学、国私立中学進学という選択肢に加え、きわめて狭き門とはいえ公立中高一貫校進学という新たな選択肢が出来ました。中萬学院グループでは、初年度の成果を踏まえご家庭のさまざまな進路希望に応じたコース・対策を充実させていくことをお約束して今号の結びとします。
≫ 2/2の朝日新聞に受験者の動向について中萬学院のコメントが掲載されていますのでご参照ください。http://mytown.asahi.com/kanagawa/news.php?k_id=15000230902020002

 

 
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