入試最前線
2008年8月20日号
≫ 2009年度中学入試予測

夏期講習も後半になって、2月の中学入試まで半年を切る状況となりました。例年にも増して新聞・雑誌等で報道され、注目度が増していく中学受験。受験率(小学校卒業生数に対する中学受験生の割合)が昨年度入試で18%弱まで増加したと推定されます。各学校の進学実績の向上、新設校や公立の中高一貫校・中等教育学校の登場など、進路の多様化にあわせ、受験する側の選択肢も多くなってきました。今回は、今までに発表されている中学入試の情報をまとめ、2009年度入試を展望します。

■ ますます増加する4教科入試
中学受験の試験科目は大きく分けて「4科目」「2科4科選択」「2科目」(ほかに1科目選抜や「総合問題」などあり)に分けられますが、毎年お伝えしている通り、年々4科受験生の割合が増えています。特に今年は学習内容の30%削減と言われた2002年学習指導要領のもとで6年間学習した生徒がはじめて大学入試を迎える年であり、いわゆる「公私間格差」が数字の上でもはっきりと出てくる年でもあります。入試科目についても、「4科での学習が当たりまえ」との趨勢にも乗って、多くの学校が入口段階で4科目入試に切り替えています。2009年度、神奈川県内では湘南学園・日本大学・関東学院六浦などが全日程で、また藤嶺学園藤沢は午後入試以外の全日程で4科目入試にするなどの変更が発表されています。7月に行われた3大模試(日能研<センター模試>・四谷大塚・首都圏模試センター)の2科・4科別の受験生の割合を見ても、中学受験界全体で4科受験にシフトしていることがうかがえます。

■ 〔表1〕 3大模試7月 2科・4科受験生の割合  
 
 男子
 女子
 4科受験生
 2科受験生
 4科受験生
 2科受験生
2008年
93.4% 
6.6% 
92.5% 
7.5% 
2007年
92.3% 
7.7% 
91.5% 
8.5% 
2006年
91.7% 
8.3% 
88.8% 
11.2% 
2000年
88.3% 
11.7% 
62.5% 
37.5% 
※3大模試とは日能研(センター模試)・四谷大塚・首都圏模試センターの3社の模試をさします。

男女別では、女子の2科受験生がここ7~8年で大幅に減少しています。もともと4科受験生の方が圧倒的に多かった男子に、女子が追いつく形となってきました。4教科で学習してきた生徒を中1の段階から高いレベルで育て、6年後の大学進学実績に結びつけたいという学校側の思惑と受験生の意欲や学ぶ意思が合致してこの現象を生み出しているものと思われます。

■ 神奈川県内の日程・要項変更もさまざま…
例年、試験日の移動、試験日の増設、試験科目の変更、定員の増減…と神奈川県内でも多くの学校が入試要項の変更を行います。2009年度入試についてもさまざまな変更点があります。県立の中高一貫校の開校や、サンデーショック(入試日が日曜にあたることにより、キリスト教(特にプロテスタント系)の学校で入試日を変更すること)、また前述のように、4科入試実施で入口段階で意欲ある生徒を確保したいという思惑などが理由として挙げられます。

■〔表2〕 神奈川県内のおもな入試要項変更(8月11日現在)
 学校名  変更の内容
 栄光学園  算数の試験時間を50分→60分
 藤嶺学園藤沢  1・3・4回の2科4科選択→4科目
 神奈川学園  C日程の2科4科選択→4科目
 鎌倉女学院☆  試験日1次:2/2→2/1
 湘南白百合学園☆  試験日:2/2→2/1
 清泉女学院★  試験日:Ⅰ期2/1→2/2
 捜真女学校  試験日:B試験2/4→2/3
 フェリス女学院★  試験日:2/1→2/2
 聖園女学院  試験日:2次A(旧1次C) 2/3→2/4 , 2次B(旧2次) 2/6→2/5
 横浜英和女学院★  試験日:A日程 2/1を午後に,B日程 2/3午前に戻す
 横浜共立学園★  試験日A方式:2/1→2/2
 横浜雙葉★  試験日:2/1→2/2
 横浜山手女子  入試回数5回→4回、全日程2科4科選択に。2011年より共学化、中央大学の附属校へ。
 関東学院★

 試験日:A日程2/1→2/2,B日程 2/2→2/3。当面2/1の入試は実施なし。

 関東学院六浦  全日程2科4科選択→4科目
 公文国際学園  推薦入試→自己推薦とオープン方式の「特別入試」に。一般日程は2科→2科4科選択。
 帰国生入試廃止。
 桐光学園

 試験日:1回2/2→2/1に。2回を2/3→2/2に。女子の定員を合計で40名増加。

 湘南学園  全日程2科4科選択→4科目
 日本大学  全日程2科4科選択→4科目
 日本大学藤沢  新設。試験日:2/1・4、4科目
 森村学園  試験日:2/2・4・6→2/1・2・5
 山手学院  2/7に後期日程(20名・2科目)新設。

★のついた学校はサンデーショックによる入試日変更、☆のついた学校はそれらの学校との競合する学校の入試日変更です。これらの学校では競合関係は崩れないため、入試日の移動があってもそれほど大きな変更とは言えないでしょう。男子校については、ほぼ「無風」に近い状態です。昨年度入試で良い生徒を集めることができたためと考えられます。 新設校があったり、入試日程の大幅変更など変化のある2009年度入試。これから秋にかけて行われる各学校での説明会では変更の意図や入試問題について、またこれからの教育方針にどのように反映させていくかなど、校長先生や入試担当者から細かいお話があるでしょう。


■ 中学受験人気はますます高く!
7月の3大模試受験者数の推移中学受験生は小学校卒業予定者全体で見るとまだ10%台。とはいっても、年々多くの小学6年生が挑戦するようになり、受験率が高まっているのは事実です。「6人に1人が中学受験」と新聞の見出しを賑わせたのはほんの数年前のことでした。現在は「5人に1人」の状況に確実に近づいています。2009年度、神奈川県では「平塚方面」「相模原方面」に2校の県立中高一貫校が開校。これらの2校は2/1に適性検査を行うことから、「2/1に何らかの受験をする小学校6年生」は大幅に増加することになるでしょう。私立中学受験者はどうかというと、横ばいから若干増加といわれています。横ばいなら昨年度と同様の激戦。増加なら、各学校とも定員総数はそれほど変化していないことから、大激戦となるでしょう。激戦の予想を裏付けるものとして、〔表3〕のようなデータがあります。 7月時点の数字では、2006年度あたりから受験者数はほぼ横ばいとなっています。今後、公立中高一貫校のみを受験する受験生も2学期の3大模試を受験すると思われますので、私立中受験者のみに絞って考えれば、今回の7月の数字が横ばい=激戦を示す数字として最も信憑性があると思われます。私立校が多くの志願者を集める背景には、学習内容や学校行事の充実、魅力的な校風といった「私学のすばらしさ」があります。各学校とも2学期以降まだまだ数多くの説明会を実施します。本命校の研究のみならず、いわゆる「押さえ」として準備する学校の研究もおこない、万全の状態で1月の出願期、2月の本番を迎える必要があるでしょう。CG啓明館でも主催説明会を実施します。久々に実施となる清泉女学院を加え、例年どおり27校の説明会を9月から11月にかけて行いますので、志望校選択の一助としてください。

CG啓明館では、学力指導はもちろん、「生活力」にも注目して数多くのイベントやキャンペーンを実施しています。先日の小6夏期合宿特訓(於:箱根高原ホテル)では、500名以上の小6生が一堂に会し、3泊4日の勉強合宿を一人の脱落者もなく終了することができました。そこで見たものは、授業中の真剣さ・集中度ばかりでなく、終盤に差し掛かってくるにしたがって自主的に学習する姿や、時間がたつにつれて生活面のけじめがしっかりとしてくる姿でした。厳しさが増すことは必至の来春の中学受験ですが、この姿を見て、今年の小6生には受験を乗り越える力があると確信しました。倍率が上がるのに対抗するには得点力を上げることしかありません。残り6ヶ月弱の指導で、「得点力」にこだわってまいります。合宿最終日に全員で誓った「絶対にあきらめない!」…この言葉を胸に、生徒・保護者・CG啓明館講師一丸となってがんばっていきましょう!

文責 CG啓明館事業部情報チーム 松村 淳



 
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