入試最前線
2007年5月19日号
≫入試科目から中学受験を考える

2008年度中学入試要項が発表されはじめました。最終的に全部の学校が揃うのは9月ごろになりますが、今年発表されているものの中では、全体として「受験科目の4科化」(以前は2科目または2科4科目選択で実施していた入試を4科目入試に変更する)や、配点の変更などがあります。現在発表されている2008年度「4科化」中学は表1のとおりです。見ていただくと、すべてが2科4科選択からの変更であることがわかります。2科で勉強してきた受験生にもチャンスを与えるため、一部では2科4科選択を残していますが、将来的には全日程での4科化に踏み切る学校もあるようです。神奈川県では日本大学が、2009年度(現小5が入試を迎えるとき)から入試科目を4科に変更することが決まっています。将来を見据えて入試科目を段階的に変えていく学校も増えていくことでしょう。

■表1 試験科目を4科にする学校 (5/15現在)
学校名
入試区分
変更点
備考
品川女子学院
1回
2科4科選択より 全日程4科化
大妻多摩
3回
2科4科選択より 全日程4科化
カリタス女子
1回
2科4科選択より 全日程4科化
関東学院
全日程
2科4科選択より 全日程4科化
成城学園
全日程
2科4科選択より 全日程4科化
★4科の学習は受験校を選ぶ選択肢を広げる
学校側が4科入試を導入する理由としては、国公立大受験のためのカリキュラムが組みやすいこと、また4科受験生が多くなってきたことによって、4科入試を主流にする流れが浸透してきたことなどが挙げられるでしょう。国公立大学では近年、センター試験必須科目で5教科7科目を課す大学が増加しています。小学生のうちから理科・社会の学習もしっかり積んだ生徒なら、中1段階から高いレベルでの授業が可能になります。中学入試の段階で公立中で学習する中2・中3のレベルまでの学習にすでに触れてきているからです。将来の大学進学実績も見据えて、学校側が生徒を募集していることがうかがえます。そして、3大模試(日能研・四谷大塚・首都圏模試)の受験者推移を見ると、特に女子ではわずか数年の間に2科と4科の割合が逆転し、4科受験生が圧倒的に多くなっていることがわかります。

4科受験は受験校を選ぶ際にも選択肢を広げることになります。「受験のため」ということにとどまらず、身近な題材や現象をもとに社会の仕組みや、原理・原則を学ぶ理科・社会の学習を通して、じっくり見る力・考える力・表現する力をつけることができます。これらの力は、算数や国語の力を伸ばす助けにもなるはずです。近年では、私立中学の総合学習の中にもディベートや論文発表など、狭義の勉強だけではない、広い視野を持った子が活躍できるカリキュラムが登場してきました。ここから子供たちの脳は活性化されて、学習する意欲も高くなり、さらには将来的に大学入試の小論文やAO入試で役に立つなど、可能性はおおいに広がるわけです。早い段階で理科・社会を含め、基礎学力を身につけ、受験学年に向けてしっかりと学習していきましょう。
★様々な学校を研究しよう
2008年度入試では、配点変更で1つ大きなニュースがありました。以下の表3は横浜雙葉の配点変更に関するものです。
■表3 横浜雙葉の2008年入試の配点変更  ※()内は2007年度までのもの
科目 算数 国語 理科 社会
配点 100点(100点) 100点(100点) 80点(100点) 80点(100点)
時間 50分(45分) 50分(45分) 40分(45分) 40分(45分)
いままでの均等配点から、算数・国語のほうが配点の高い傾斜配点の形にしています。これは、ほとんどの学校ですでに取り入れているもので、理科・社会を軽視したというよりは、塾でも授業時間数の多い算数・国語の配点を高くすることで、受験勉強の実情に合わせた変更といえるでしょう。その他にも算数・国語と理科・社会で10対5だった配点を10対7~8にして、理科・社会の配点を高くしていく傾向も見られます。
これからは、4科受験を見据えて学習していくと同時に、様々な学校を研究し受験校選択の幅を広げましょう。CG啓明館では今年も主催説明会を開催します。6月から11月にかけて神奈川・東京で初開催2校を含め、33校の説明会を行います。学校研究のためにぜひご活用ください。
 
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